治療・予防 2024/12/26 05:00
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新型コロナウイルス感染症の流行は衰えを見せず、家庭内感染率の高まりも懸念されている。軽症者の療養は宿泊施設で、といった厚生労働省の方針にもかかわらず、諸般の事情で家庭内療養をせざるを得ない場合もある。3密が避けられない家庭内でどうやって二次感染を防いだらよいか。北里大学(東京都港区)薬学部の鈴木順子名誉教授に聞いた。
異常があれば、ためらわずに119番
▽病室と看護者を決める
東京では既に家庭内感染が感染経路として最多と言われ、世代を超えた感染の広がりが進んでいる。家族の誰かが感染して自宅療養を余儀なくされたら、自分も感染するのではないかという不安が付きまとう。「感染した家族を抱える状況は大きなストレスです。新型コロナウイルス感染症にゼロリスクはないという前提で、いたずらにおびえず、家族の事情に合わせて感染リスクを減らす工夫に取り組みましょう」と鈴木名誉教授。
最大のポイントは、病人の部屋と看病する人(看護者)を限定することだ。看護者以外は病人と接触しないよう注意し、病人はトイレ、入浴以外は病室から出ない、食事・入浴は家族が済ませた後にする。トイレ使用後はふたを閉めて水洗し、看護者が便座やドアノブ、床周りなどを消毒する。対面時には病人はマスクをする。看護者はキャップ、マスク、エプロンを着け、必ず最後に手を洗う。
鈴木名誉教授は「看護者が看護だけに集中できるように、他の家族は自立して家事の負担をかけないことが大事です。その上で、どのような協力ができるかを普段から話し合っておくといいでしょう」とアドバイスする。
▽急変時に備える
小さな子どもがいる家庭では、より入念な対策が必要だ。子どもが感染した場合、病室にとどめておくのは難しいので、看護者以外の家族がホテルなど別の場所に避難することも検討する。親が感染した場合、子どもの心配をせずに療養できるよう独自の支援策を設けている自治体もある。一時預かりなどが利用できないか調べておくといい。
自宅療養で注意したいのが、急変時の対応だ。いざという時のために入院の準備をして、状態が悪化した場合は迷わず救急車を呼べるようにしておくことが重要だ。
「家族の誰がいつ感染しても対応できるような備えが大切です。コロナ時代を機に、お互いが依存するのではなく、協力し合えるような新しい家族関係の在り方を考えてみてください」と鈴木名誉教授は呼び掛けている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2021/01/26 05:00)
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