治療・予防

大腸がんの兆候、見逃さないで
便通の変化に注意

 2017年のがん罹患(りかん)数予測でトップの大腸がん。初期は自覚症状が乏しく見逃しやすい。聖マリアンナ医科大学(川崎市)臨床腫瘍学の砂川優准教授は「大腸がんを早期発見するには、便通の変化などの初期症状に気付くことと、検査を受けることが大切です」と強調する。

40代になったら年に1度は検診

 ▽腰痛の原因にも

 日本に大腸がんが多いのは、食生活の欧米化に加え、高齢化も影響していると考えられている。砂川准教授は「大腸がんは早い段階で治療をすれば、90%以上の確率で治ります」と早期発見の重要性を訴える。

 大腸がんの典型的な症状は血便だ。痔(じ)による出血は真っ赤な血が混じる場合が多いが、大腸がんでは黒っぽく見える。便が細切れになる、便の表面にゼリー状の粘液が付く、便秘と下痢を繰り返す、残便感、下血といった症状が見られることもある。便が大腸を通る際、がんそのものや狭くなった腸管が圧迫され、腰からお尻にかけて痛みが出る場合もある。

 砂川准教授は「血便を痔と勘違いして受診が遅れるケースがあります。いつもと違う便の状態が続いたら、早めに医療機関を受診してください」と促す。

 ▽症状が出づらい右側

 大腸がんには、腹部の左側に位置する直腸やS状結腸、下行結腸にできるがんと、右側に位置する横行結腸や上行結腸、盲腸にできるがんがあるが、右側のがんは症状が出にくい。砂川准教授は「便が盲腸や上行結腸を通過する時点ではまだ軟らかく、狭まった腸管を通過できてしまうため腹痛が起きにくいのです。また、肛門まで距離があり、途中でかき混ぜられ血液も判別しにくくなります」と話す。

 早期発見には便潜血検査が不可欠。便中のわずかな血液も検出できる。40歳以上になったら特に症状がなくても、年1回は検査を受けることが推奨されている。

 砂川准教授は大腸がんの予防法について「運動がリスクを減らすことは実証されています。肥満は大腸がんの要因の一つで、体重コントロールも重要です。加工肉や赤身肉の食べ過ぎ、お酒の飲み過ぎに注意し、喫煙も控えてください」と話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)

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