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歯垢(しこう)とは、虫歯や歯周病の原因となる細菌の塊のこと。歯垢を放置すると、唾液中はカルシウムやリンなどの成分によって石のように固まる石灰化を起こし、2週間程度で「歯石」になる。
歯石は大人だけでなく、歯が生え始めた乳幼児でも付着する。乳幼児の歯石を予防する方法や日々のケア、歯科医院の受診のタイミングなどについて、千葉歯科医院(東京都大田区)の浜野美幸院長に話を聞いた。
楽しく歯磨きを
◇正しい磨き方を学ぶ
歯垢は軟らかく粘り気があるのに対して、歯石は硬く歯磨きでは取れない。歯石の表面はザラザラして凸凹があり、新たに歯垢が付きやすいため、歯科医院で除去してもらう必要がある。「歯垢は歯ブラシで取れるので、歯石に変わる前に早めに除去することが大切です」と浜野院長。
歯石が付きやすいのは下の前歯の裏側。歯並びががたがたしていると歯と歯の重なった部分は磨き残しになりやすいため、歯石ができやすくなる。「歯石は白色で、昼間に窓辺の明るい場所で口の中を見れば肉眼でも確認できます。硬く白い物を見つけたら、歯科医院を受診しましょう」
歯石の除去以上に大事なのが、正しい歯磨きについて歯科医師などから指導を受けることだ。歯垢を染め出してチェックすれば、どこが磨けていないのかが分かり、磨き方のこつも教えてもらえる。
◇歯磨きを楽しい時間に
乳幼児の歯磨きは、自分磨きと保護者が行う仕上げ磨きの2本立て。乳幼児は仕上げ磨きが中心だが、口の中は敏感で、歯ブラシが入ることを不快に感じ、嫌がる子どもも多い。「歯が生える前からの準備もしてほしい。口の中を保護者が指で優しくタッチして、触れられるのに慣れていると、歯磨きを嫌がりにくくなります。どの時期からでも遅くないので、優しく声掛けをしながらやってみてください」
フッ化物配合歯磨き剤も上手に利用するとよい。2歳以下では米粒程度、3~5歳はグリーンピース程度を歯ブラシにつけて1日2回歯を磨くと虫歯予防につながる。仕上げ磨きは毎食後行う必要はないが、1日1回丁寧に行うことが重要だ。うがいができる場合は少量の水で1回のみ行う。
乳幼児にとっての歯磨きは歯垢を取り除いて歯石や虫歯を予防するだけでなく、保護者とコミュニケーションを取り健康な心と体を育てることにもつながる。「子どもは親が楽しそうに歯磨きをしていると、自分もやりたくなります。肩の力を抜いて、ぜひお子さんと一緒に歯磨きを楽しんでください」と浜野院長はアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)
(2023/11/26 05:00)
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