治療・予防 2024/11/22 05:00
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厚生労働省によると、要介護(要支援)認定者数は約680万人(2021年3月末現在)に上り、その約7割は同居または別居の家族が担っている。負担感や精神的ストレス、仕事との両立など、「家族介護」が抱える問題について、東京都健康長寿医療センター研究所(東京都板橋区)の涌井智子研究員に話を聞いた。
家族介護者のストレス要因
◇サービス事務手続き・調整の負担
介護のストレスの増加は、入浴や食事、移動、トイレ介助などの身体的依存だけが要因ではない。身体介護は介護サービスを使うことで負担軽減を図ることができるが、「行政への申請や介護サービスの調整、あるいは当人の代理として、家族は医療や介護サービスを選択する役割も担います」。
◇過度の責任感
施設介護と家族介護の大きな違いは、要介護者との関係性にある。子どもは親に支えられる側から、親の生活を心理的、経済的に支える立場に変わるため、「以前とは異なる関係を築いたり、変わっていく親の姿を受け入れたりするのは容易ではありません」。
また家族介護は過剰に責任を感じやすい。「老いや病気の影響で高齢者の機能は低下しますが、『歩けなくなったのは、私の介護がだめだったからでは』などと、過度に責任を感じることがストレスになります」
三世代世帯での在宅介護の割合が減り、高齢夫婦のみの世帯や未婚の子どもとの同居、別居介護の割合が増えている。その中で、経済的負担を抱え、仕事と調整しながら介護をする人が少なくない。
負担感を減らすには、家族がそれぞれ得意なことで役割を分担したり、介護の経験者に話を聞いてもらったり、介護士やホームヘルパー、ケアマネジャーらから情報を得たりすることも重要だ。
「週1回以上、仕事など何らかの活動を続けることが、負担感の低下や抑うつ防止につながります。退職したり社会活動を制限されたりせずに介護を続けられることが、自身の健康にとって重要です」と涌井研究員は強調する。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2024/01/16 05:00)
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