治療・予防 2024/12/27 05:00
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ストレスなどが原因で30代でも発症することがある男性更年期障害。男性ホルモンであるテストステロンが減少することにより、抑うつや不安感、発汗、性欲の低下、勃起障害(ED)などの症状が表れる。実は生活習慣病と密接に関係している可能性があることも分かってきた。やる気が出ない、だるい、疲れが取れない、イライラしやすくなった、などの症状が長引いたら注意が必要だ。
男性更年期障害の主な症状
▽30代でも発症
女性の更年期障害は、発症年齢が閉経前後に集中している。これに対し、男性は40~50代が中心だが、30代から70代まで幅広い年齢層で見られるのが特徴で、症状が長引く傾向があるという。
症状は、〔1〕精神症状(抑うつや不安感)〔2〕身体症状(発汗や筋肉痛、睡眠障害)〔3〕性機能症状(性欲低下や勃起不全)―の三つに大きく分けられる。
「患者さんでよく見られるのは、心療内科で投薬治療を受けても、抑うつ傾向が一向に良くならない人です。男性ホルモンが足りていない場合があり、ホルモン補充治療が症状を改善させることがよくあります。またEDなどの性機能障害も心血管系合併症の重要なサインであり、男性更年期障害を疑う必要があります」と、聖路加国際病院(東京都中央区)泌尿器科の松下一仁医幹・臨床准教授は話す。
女性では閉経を機に女性ホルモンが急速に減少するのに対し、男性の加齢に伴う男性ホルモンの減少は個人差が大きく、自覚がない場合も多い。ところが、精神的・肉体的に強いストレスが加わると、男性ホルモンは急減し、さまざまな症状を引き起こす。
▽生活習慣病との関連も
もう一つ、メタボリックシンドロームや動脈硬化といった生活習慣病が関与している可能性がある。松下臨床准教授は「例えば、糖尿病患者の多くがテストステロン値の低下を伴います。内臓脂肪の増加も、男性ホルモンを下げる要因の一つです。メタボリックシンドロームは、男性更年期障害と密接に関わるといってもよいでしょう」と説明する。
男性更年期障害の治療には、ホルモン補充療法のほか、症状に応じて性機能改善薬や漢方薬などを用いる。松下臨床准教授は「更年期障害は糖尿病や動脈硬化といった全身疾患とも関係している例があり、またEDなどの性機能障害は脳梗塞や心筋梗塞の前兆であることが多い。適切な治療を受けるためには、男性の健康を総合的に扱うメンズヘルス外来などを受診することをお勧めします」とアドバイスする。
日本メンズヘルス医学会のHPで、全国各地の専門外来を検索できる。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2019/02/14 06:00)
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