■夜驚
夜眠っていて、突然叫び声をあげたり、泣き出したりし、数分間でまた眠ってしまいます。時には、起き上がって部屋の中を歩き回る夢中遊行を伴うこともあります。翌朝、本人はなにも覚えていません。男の子に多く、4~12歳ごろにみられます。
昼間、怖い経験をしたり、興奮しすぎたりなどが誘因になることもあります。多くは自然に軽快するので心配ありませんが、症状が強いもの、頻度が高いものは抗不安薬や睡眠薬を使うこともあります。
■悪夢
怖い内容の夢で目がさめてしまうもので、翌日、本人は内容を覚えています。女の子に多く、大人でもみられます。身体的あるいは精神的な慢性ストレスの状態にあるときに起こりやすいのが特徴です。必要により抗不安薬や睡眠薬をのみながらストレスに対応します。
■不眠
子どもでも神経症、抑うつ状態や起立性調節障害などで夜眠れないといううったえがあります。体の一日のリズムがずれていて眠る時間が遅くなってしまう子もいます。
10~12歳以降にみられるのが一般的です。神経症では眠りにつけず、抑うつ状態では、眠れるがぐっすり眠れず、途中で目がさめるとうったえます。起立性調節障害では、睡眠のリズムが狂っていて、夜眠れず、朝起きられないという状態になり、不登校の原因にもなります。ゲームやスマートフォンに熱中して睡眠不足になる子もふえています。神経発達症の子で眠れない場合には睡眠に関連するホルモンであるメラトニン内服もおこなわれます。
【参照】こころの病気:
不眠症
(執筆・監修:
地方独立行政法人 栃木県立リハビリテーションセンター 理事長兼所長/自治医科大学 客員教授〔小児科〕 山形 崇倫)
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