一流に学ぶ 天皇陛下の執刀医―天野篤氏
(最終回) 過去より未来、高み目指す =多忙や病気も前向きに
「ちゃんとしたベッドで寝ると、かえって休めなかったりします。睡眠は4時間ぐらい。ときどき疲れていることもあるので、寝過ごさないように、いつもと違う目覚ましをかけて仮眠することがあります」と天野氏。「違う音で起こされると、寿命の鐘が鳴ったような錯覚を起こすことがあります。身体は金縛りになったみたいに動かないし、自分はもしかしたら死んじゃったんじゃないかと。目が覚めて、あ、生きてたって」
天野氏は病院での仕事を終え、夕方に教授室に戻るが、部屋の前の廊下には、面会の約束をした人たちが順番を待つ。朝から立て続けに手術3件を執刀した後に取材を受けるなど、多忙な毎日を送っている。
「10年ぐらい前、60歳を過ぎると緊急手術や長時間の手術は嫌になるだろうなと思っていましたが、そんなことはなかったですね。体は十分動くし目も見える。視力の衰えを理由に引退する外科医は多いのですが、僕の場合は多重焦点コンタクトレンズで解決しています」
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(2017/05/08 11:08)
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