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介護職が将来大きく不足する都道府県では60代や正社員の求人が多い

株式会社シニアジョブ
定着が課題か?シニア専門求人メディア掲載の介護職求人の傾向調査から仮説


シニア向け介護職求人傾向調査、将来大きく不足するエリアでは60代・正社員の求人が多い

シニア転職支援の(株)シニアジョブ(本社:東京都新宿区)は、代表取締役の中島康恵が2024年9月25日、外部メディアに寄稿した介護職不足に関するコラムの反響が大きかったことを受け、サービス提供するシニア専門求人メディア「シニアジョブ」に同10月2日時点で掲載された介護職求人の傾向調査を実施しました。介護職員の将来の不足が大きいと思われる都道府県には、正社員求人が多くパート求人が少ない、60代歓迎求人が多く70代以上歓迎求人が少ない傾向が見られたことで、正社員の定着が悪いことで、常に60代を含めた正社員の募集を強化しているのではないかという仮説を持ちました。



■シニア向け介護職求人の傾向調査を実施した背景
シニア専門求人メディア「シニアジョブ」(https://seniorjob.jp/)では、2022年8月のオープン以降、一貫して「介護職・ヘルパー」が全職種中もっとも求人数の多い職種であり続けています。
介護職については必要数に対する不足が常に叫ばれており、シニアジョブ代表取締役の中島康恵が執筆し、ITと経営に関する情報メディアのビジネス+ITで2024年9月25日に掲載されたコラム『「介護職」2040年に「57万人」不足の深刻、現場で起きている悲痛な実態』(※1)が大きな反響を呼んだことで、シニアジョブでは介護職の不足とシニア向け介護職求人に関連があるのかを調べるため、今回の調査を実施するに至りました。
今回の調査では、代表の中島が上記のコラム中で引用した、今年7月に厚生労働省が発表した「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」(※2)から都道府県別の介護職員の必要数と、シニアジョブが提供するシニア専門求人メディア「シニアジョブ」掲載の「介護職・ヘルパー」の都道府県別の求人数および提示された給与額の平均を比較し、関連性を調べました。

(※1)ビジネス+IT 2024年9月25日掲載|「介護職」2040年に「57万人」不足の深刻、現場で起きている悲痛な実態
https://www.sbbit.jp/article/fj/146530
(※2)厚生労働省|第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について
https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_41379.html


■シニア向け介護職求人の傾向調査結果のポイント
シニア専門求人メディア「シニアジョブ」に掲載された「介護職・ヘルパー」の求人について、北海道、栃木県、東京都、福井県、愛知県、大阪府、愛媛県、福岡県の8都道府県(※3)での、雇用形態別と60代歓迎・70代以上歓迎それぞれの求人の求人数や提示された給与額の平均(平均給与)を求め、厚労省の資料が示す2026年度および2040年度に必要とされる介護職員の数と現状の介護職員の数との差の大小に関連があるかを調べました。
調査結果のポイントには、下記6項目が挙げられます。

- 職員の将来の不足が大きい都道府県は正社員求人が多く、パート求人が少ない傾向
- 職員の将来の不足が小さい都道府県は正社員求人が少なく、パート求人が多い傾向
- 職員の将来の不足が大きい都道府県は60代歓迎求人が多く、70代以上歓迎求人との差が大きい傾向
- 職員の将来の不足が小さい都道府県は60代歓迎求人と70代以上歓迎求人の差が比較的少なく、2つが占める割合も小さい傾向
- 職員の将来の不足が大きくても小さくても平均給与の都道府県の差は小さく、明確な関係は見られなかった
- 平均給与は、正社員求人では他職種より低め、パートや60代70代歓迎求人では他職種と同程度の傾向


介護職員の将来の不足が大きい都道府県では、北海道が正社員求人48%、パート・アルバイト求人40%、栃木県が正社員求人44.8%、パート・アルバイト求人34.5%と正社員求人の割合が大きい傾向がありますが、反対に介護職員の将来の不足が小さい都道府県では、福井県が正社員求人28.6%、パート・アルバイト求人64.3%、福岡県が正社員求人28.1%、パート・アルバイト求人69.8%とパート・アルバイト求人の割合が大きくなる傾向があります。

同様に介護職員の将来の不足が大きい都道府県では、北海道が60代歓迎求人62%、70代以上歓迎求人34%、栃木県が60代歓迎求人82.8%、70代以上歓迎求人27.6%と60代歓迎求人の割合が大きい傾向が見られますが、介護職員の将来の不足が小さい都道府県では、福井県が60代歓迎求人57.1%、70代以上歓迎求人50%、福岡県が60代歓迎求人8.8%、70代以上歓迎求人4.4%と60代歓迎求人と70代以上歓迎求人の差が小さい傾向が見られます。

ただし、愛媛県のように介護職員の将来の不足が小さいものの正社員求人や60代歓迎求人が多く、パート・アルバイト求人や70代以上歓迎求人が少なめとなるケースも見られました。

平均給与には都道府県ごとの差があり、人口が多い大都市を抱える都道府県ほど高めの傾向があるものの、介護職員の将来の不足の大小との関連は見られませんでした。

ちなみに「介護職・ヘルパー」求人全体の正社員求人の平均給与は年収300万円で、他職種も含めた「シニアジョブ」に掲載されたすべての正社員求人の平均給与は年収375万円と、「介護職・ヘルパー」が少なくなりました。一方、パート・アルバイト求人や60代歓迎求人では「介護職・ヘルパー」も他職種を含めた場合もいずれも時給1,200円で変わらず、70代以上歓迎求人では「介護職・ヘルパー」の求人で若干下がるものの差は小さい結果となりました。

(※3)厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」中の「別紙5 第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数(都道府県別)」より、2026年度および2040年度の介護職員の必要数から2022年度の介護職員数を引いた差が大きい北海道と栃木県、小さい福井県と愛媛県、また「シニアジョブ」に掲載された「介護職・ヘルパー」の求人数が多く、かつ「別紙5 第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数(都道府県別)」において介護職員の必要数が大きい東京都、愛知県、大阪府、福岡県の計8都道府県を抽出


■シニア向け介護職求人の傾向調査結果についての仮説
上記のような傾向がシニア向け介護職求人の傾向調査結果から得られたことについて、その理由としてシニアジョブでは次のような仮説を立てています。

- 職員の将来の不足が大きい都道府県は正社員の定着が悪く、常に正社員の募集や60代の募集を強化しているのではないか?
- 職員の将来の不足が小さい都道府県は60~70代を含めたパートを多く活用することで、正社員の定着が比較的安定しているのではないか?


介護職員の将来の不足が大きい都道府県は、正社員求人が多い、パート・アルバイト求人が少ない、60代歓迎求人が多く、70代以上歓迎求人が少ないといった傾向が見られ、これは60代も含めて正社員やフルタイムの労働者を求めていると考えられます。増員・拡大を目指した新規募集とは考えにくく、欠員募集の割合も高いと思われることから、正社員の定着に難があってその募集が優先され、パート・アルバイトを採用する余裕が少ないのではないかと仮説を立てました。

一方、介護職員の将来の不足が小さい都道府県に、正社員求人が少ない、パート・アルバイト求人が多い、60代歓迎求人と70代以上歓迎求人の差が小さいといった傾向が見られることは、50代以下のパート・アルバイトの求人が盛んであることを示していると見られ、正社員の定着が安定していることでそうした方針がとれるものと思われます。60代以上の活用は際立って多くはないものの、70代まで幅広く活用しており、パート・アルバイト中心の求人が正社員の安定にも何らか影響があるのではないかと考えられます。


■シニア向け介護職求人の傾向調査結果データ
調査結果の数値データは下記のとおりです。

●全国のシニア向け介護職・ヘルパー求人
(3,432件・平均時給1,200円)
- 正社員: 39.2%・平均年収300万円
- 契約社員: 3.7%・平均年収300万円
- パート・アルバイト: 57%・平均時給1,200円
- 60代歓迎: 50.5%・平均時給1,200円
- 70代以上歓迎: 25%・平均時給1,187円


●北海道のシニア向け介護職・ヘルパー求人
(50件・平均年収275万円)
- 正社員: 48%・平均給与不明
- 契約社員: 12%・平均給与不明
- パート・アルバイト: 40%・平均時給1,972円
- 60代歓迎: 62%・平均年収275万円
- 70代以上歓迎: 34%・平均給与不明


●栃木県のシニア向け介護職・ヘルパー求人
(29件・平均年収300万円)
- 正社員: 44.8%・平均年収300万円
- 契約社員: 20.7%・平均給与不明
- パート・アルバイト: 34.5%・平均給与不明
- 60代歓迎: 82.8%・平均年収300万円
- 70代以上歓迎: 27.6%・平均給与不明


●東京都のシニア向け介護職・ヘルパー求人
(313件・平均時給1,321円)
- 正社員: 43.8%・平均年収350万円
- 契約社員: 3.2%・平均給与不明
- パート・アルバイト: 52.7%・平均時給1,321円
- 60代歓迎: 64.5%・平均時給1,321円
- 70代以上歓迎: 21.1%・平均時給1,325円


●福井県のシニア向け介護職・ヘルパー求人
(14件・平均給与不明)
- 正社員: 28.6%・平均給与不明
- 契約社員: 7.1%・平均給与不明
- パート・アルバイト: 64.3%・平均給与不明
- 60代歓迎: 57.1%・平均給与不明
- 70代以上歓迎: 50%・平均給与不明


●愛知県のシニア向け介護職・ヘルパー求人
(133件・平均時給1,180円)
- 正社員: 42.9%・平均年収325万円
- 契約社員: 0.8%・平均給与不明
- パート・アルバイト: 56.4%・平均時給1,180円
- 60代歓迎: 70%・平均時給1,175円
- 70代以上歓迎: 25.6%・平均時給1,349円


●大阪府のシニア向け介護職・ヘルパー求人
(143件・平均時給1,325円)
- 正社員: 44.1%・平均年収325万円
- 契約社員: 2.1%・平均給与不明
- パート・アルバイト: 53.1%・平均時給1,312円
- 60代歓迎: 51.7%・平均時給1,325円
- 70代以上歓迎: 30.8%・平均時給1,312円


●愛媛県のシニア向け介護職・ヘルパー求人
(47件・平均年収300万円)
- 正社員: 55.3%・平均年収300万円
- 契約社員: 0件・平均給与不明
- パート・アルバイト: 44.7%・平均時給1,257円
- 60代歓迎: 87.2%・平均年収300万円
- 70代以上歓迎: 38.3%・平均時給1,264円


●福岡県のシニア向け介護職・ヘルパー求人
(590件・平均時給1,131円)
- 正社員: 28.1%・平均年収325万円
- 契約社員: 1.7%・平均給与不明
- パート・アルバイト: 69.8%・平均時給1,131円
- 60代歓迎: 8.8%・平均時給1,131円
- 70代以上歓迎: 4.4%・平均時給1,175円


●参考・すべてのシニア向け求人(全国・全職種)
(26,172件・平均年収375万円)
- 北海道: 587件・平均時給1,025円
- 栃木県: 179件・平均年収375万円
- 東京都: 3,992件・平均年収400万円
- 福井県: 191件・平均時給920円
- 愛知県: 1,525件・平均年収375万円
- 大阪府: 1,629件・平均年収375万円
- 愛媛県: 227件・平均年収350万円
- 福岡県: 3,787件・平均年収375万円
- 正社員: 42.3%・平均年収375万円
- 契約社員: 7%・平均年収350万円
- パート・アルバイト: 48.7%・平均時給1,200円
- 60代歓迎: 51.6%・平均時給1,200円
- 70代以上歓迎: 28.1%・平均時給1,200円



■調査概要
シニア専門求人メディア掲載の介護職求人についての傾向調査
- 調査日:  2024年10月2日
- 調査機関: 自社調査
- 調査対象: 上記調査日時点でシニア専門求人メディア「シニアジョブ」に掲載された「介護職・ヘルパー」の求人3,432件(※4)(※5)
- 対象地域: 全国
- 調査方法: 上記調査日時点でシニア専門求人メディア「シニアジョブ」に掲載された「介護職・ヘルパー」の求人3,432件について、抽出した8都道府県の求人件数、平均給与等と、厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」に基づく各都道府県の介護職員の必要数との関連性を調査


(※4)調査対象の求人には、過去に求人を掲載していたものの掲載を取り下げた求人または登録を取り消した企業の求人を含まないが、募集を停止している求人は含む。また、比較対象として、調査日2024年10月4日時点の全国の求人26,172件も調査した。
(※5)医師、看護師・准看護師、栄養士・管理栄養士、ケアマネージャ、生活相談員、サービス提供責任者、介護事務、介護・福祉送迎ドライバー、児童指導員、児童発達支援管理責任者、生活支援員・世話人、サービス管理責任者、福祉施設長・事務長、その他(介護・福祉)の職種については含まない。


■シニアジョブ 代表取締役 中島康恵からのコメント

シニアジョブ 代表取締役 中島康恵

先日、私が執筆した将来の介護職員の不足に関するコラムについて大きな反響があり、電子掲示板やまとめサイト、実況動画などで話題にされたことを受け、今回の私たちのシニア専門求人メディアに掲載された「介護職・ヘルパー」求人の調査を指示しました。
思ったほどには明確な傾向が現れなかった結果は残念ですが、一口にシニア向け介護職求人と言ってもエリアによる特色が大きく異なることがわかったのは収穫でした。求人の動向や掲載数は、採用決定や社員の退職で常に変化するため、また別の機会にもこうした調査を行いたいと思います。


■シニア専門求人メディア「シニアジョブ」について
50歳以上のシニアに特化した求人サイト事業として、2022年8月にオープンしました。求人の対象が主に50歳以上になることを了承した企業のみが求人を掲載しており、また、求人企業の平均年齢や、50代・60代・70代以上の勤務人数といったシニアの活躍情報がわかるなど、シニアが安心して応募や就職活動ができる機能が揃っています。
求人企業もキャンペーン期間中は初期費用無料、成果報酬制で、採用決定までは、求人を何件掲載しても無料で使用できます。

お仕事をお探しのシニアの方や、シニア人材採用をお考えの企業の採用担当者の方は、サイトからご登録・お問い合わせをお願いいたします。
- お仕事をお探しのシニアの方はこちら https://seniorjob.jp/
- 企業の採用担当者の方はこちら https://seniorjob.jp/landing/client/lp-03/



【会社概要】
代表 : 代表取締役 中島 康恵
本社 : 東京都新宿区大久保2丁目5−22セキサクビル8F
URL : https://corp.senior-job.co.jp/
事業内容 : シニアの人材ビジネス提供


運営サイト:
シニアジョブ: https://seniorjob.jp/
シニアジョブエージェント: https://senior-job.co.jp/
シニアタイムズ: https://senior-job.co.jp/magazine/


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本件に関するお問い合わせ先
株式会社シニアジョブ 広報部 安彦(あびこ)
TEL:080-4107-5851  e-mail:m-abiko@senior-job.co.jp

株式会社シニアジョブ
50歳以上のシニアに特化した人材紹介、人材派遣、求人サイトの各サービスを提供する会社です。学生起業家出身である代表取締役の中島が、人材不足にも関わらずシニアの就職が困難であるという社会課題に気づき、その解決をライフワークとするべく業種転換。徹底した効率化とスピードによって、シニアの総合人材会社としてそれぞれ延べ9万件を超える求職者と求人企業が登録。
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