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AHCC(R)︎が肝線維化の進行を抑える可能性

株式会社アミノアップ
~ 大阪公立大学との共同研究で論文発表 ~

株式会社アミノアップ(北海道札幌市、代表取締役会長 小砂憲一、代表取締役社長 北舘健太郎)は、大阪公立大学大学院医学研究科(大阪府大阪市)と肝線維化(*1)の進行に対するAHCC(R)(*2)の作用について共同研究を行い、肝星細胞(*3)の活性化を抑制することで肝線維化の進行を抑えることが示唆されたと、国際学術誌「American Journal of Physiology-Gastrointestinal and Liver Physiology」のオンライン速報版に掲載されました。
<概要>
肝臓に長い間炎症が続くと、コラーゲンなどの線維が蓄積する肝線維化が引き起こされます。肝炎により肝星細胞が活性化されると、肝線維化が促進し致死的な肝硬変へ進行します。しかし現時点では、肝硬変に有効な薬剤は見つかっていないため、肝線維化の進行を早期に抑制することが重要です。シイタケの菌糸体培養抽出物であるAHCC(R)は、肝臓の保護作用が知られているサプリメントで、そのメカニズムの解明が望まれています。

大阪公立大学大学院医学研究科機能細胞形態学の宇留島 隼人准教授、株式会社アミノアップの共同研究グループは、AHCC(R)の肝星細胞および肝線維化への作用についてモデルマウスを用いて解析。その結果、AHCC(R)が肝星細胞の活性化を抑え、肝線維化の進行を抑制していることを確認しました。また、活性化した肝星細胞を特異的に認識するマーカーの発現が減り、抗線維化タンパクとして知られているサイトグロビンの発現が増えることも分かりました。さらにヒトの肝星細胞を用いて、AHCC(R)がどのように肝線維化の進行を抑制するのかも解明しました。

本研究成果は、2024年9月24日に国際学術誌「American Journal of Physiology-Gastrointestinal and Liver Physiology」のオンライン速報版に掲載されました。


宇留島 隼人 准教授
宇留島 隼人 准教授のコメント「肝臓は沈黙の臓器で、病態がかなり進行して初めて症状が出る場合が多いです。積極的に健康診断を受診し、肝線維化を早期発見して、生活習慣の改善に取り組むことが重要です。今後は、より信頼度の高い科学的エビデンスの構築のために、肝線維化患者に対するAHCC(R)の効果を確認する臨床試験実施を目指してまいります。」



*1肝線維化:慢性肝炎時にコラーゲンなどの線維成分が蓄積した病態のこと。進行すると肝硬変となる。肝炎ウイルス感染や、アルコール・高脂肪食の長期間にわたる大量摂取などが原因で起きる。
*2AHCC(R) :株式会社アミノアップが開発したシイタケ菌糸体培養抽出物のこと。これまで免疫活性作用や、抗がん剤による副作用軽減効果などが報告されている。
*3肝星細胞:正常な肝臓ではビタミンAを貯める働きをしているが、肝炎時には活性化してコラーゲンを分泌する。

<研究の背景>
ウイルス感染や過度のアルコール・高脂肪食の摂取などによって肝臓に長い間炎症が続くと、コラーゲンなどの線維が蓄積する肝線維化が引き起こされます。肝臓構成細胞の一つである肝星細胞は、正常肝では非活性型としてビタミンAの貯留などの働きをしていますが、肝炎時には活性化してコラーゲンを盛んに産生・分泌するようになるため「肝線維化の責任細胞」と考えられています。肝線維化が悪化すると、致死的な肝硬変へと進行します。しかし、有効な薬剤が見つかっていないため、肝線維化の進行を早い段階から予防することが重要です。
シイタケの菌糸体培養抽出物AHCC(R)は、欧米やアジアなど世界各国で摂取されているサプリメントです。これまで免疫活性作用や抗がん剤による副作用軽減効果などが報告されており、科学的エビデンスが豊富に蓄積されている機能性食品の一つです。AHCC(R)の肝臓保護作用も知られていますが、肝星細胞活性化および肝線維化進行に対する作用はよく分かっていませんでした。

<研究の内容>
本研究では、モデルマウスの腹腔内に四塩化炭素を投与して肝線維化を起こし、蒸留水を与えた群とAHCC(R)を与えた群に分け、肝線維化の進行に対する効果を解析しました。その結果、AHCC(R)投与群において肝臓中のコラーゲン量が減少し、肝線維化の進行が抑制されました。また、活性化肝星細胞マーカーであるαSMAやHSP47の発現が減弱しただけでなく、抗線維化タンパクとして知られているサイトグロビンの発現が増強することが分かりました。
さらに、ヒト肝星細胞株HHSteCを用いてメカニズムを解析したところ、Toll-like receptor 2-SAPK/JNK経路を介してサイトグロビンやαSMAを、Toll-like receptor 4-NFκβ経路を介してコラーゲン産生を調節していることが判明しました。



<期待される効果・今後の展開>
世界の3~4人に1人が肝線維化の前段階である脂肪肝であると推測されています。脂肪肝や初期の肝線維化段階からAHCC(R)を摂取することで、肝星細胞を脱活性化させ、肝線維化進行を予防することが期待できます。今後は、肝線維化患者に対するAHCC(R)の効果を確認する臨床試験を実施し、より信頼度の高い科学的エビデンスの構築を目指します。

<掲載誌情報>
- 【発表雑誌】American Journal of Physiology-Gastrointestinal and Liver Physiology
- 【論文名】AHCC inhibited hepatic stellate cells activation by regulation of cytoglobin induction via TLR2-SAPK/JNK pathway and collagen production via TLR4-NF-κβ pathway
- 【著  者】Hayato Urushima*, Tsutomu Matsubara, Gu Qiongya, Atsuko Daikoku, Misako Takayama, Chiho Kadono, Hikaru Nakai, Yukinobu Ikeya, Hideto Yuasa, and Kazuo Ikeda(* 責任著者)
- 【掲載URL】https://doi.org/10.1152/ajpgi.00134.2024

株式会社アミノアップ
株式会社アミノアップは、1984年設立以来、北海道に拠点を置きグローバル展開する機能性食品・農業資材開発メーカー。独自開発した機能性食品「AHCC(R)」(担子菌培養抽出物)をはじめとする食品素材や、バイオスティミュラント「Dr. アミノアップ」などのアグリ製品を展開し、特許取得と論文発表に重きを置く。社内では医学・薬学・農学・理学・獣医学・工学など幅広い分野を専門とする研究チームが新製品の開発や科学的根拠の検証を続けていると同時に、世界100以上の医療機関や大学などとの共同研究を行っている。さらに研究の促進、研究機関同士の連携などを目的として、統合医療機能性食品国際学会(ICNIM)を後援するなど、独自のグローバルネットワークの構築・交流にも精力的に取り組んでいる。環境対策にも力を入れており、製品の製造1トン当たりの製造時CO2排出量 を10年前と比較して40%削減した。



商 号 :株式会社アミノアップ
所在地 :北海道札幌市清田区真栄363番地32
代表者 :代表取締役会長 小砂 憲一
     代表取締役社長 北舘 健太郎
資本金 :3億6900万円
事業内容:機能性食品・サプリメント原料および植物活力資材の自社開発・製造・販売
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