株式会社Splink
NEDOの公募採択は2019年、2022年に続き3度目。PCAフェーズで最大10億円の助成額で、次世代認知症診断ソリューションの社会実装を目指す長期研究開発プロジェクトに着手
ブレインヘルスケア領域の医療AIスタートアップ、株式会社Splink(本社:東京都港区、代表取締役:青山 裕紀、以下「当社」)は、国立研究開発法人 新エネルギー・産業技術総合開発機構(以下「NEDO」)の2024年度「ディープテック・スタートアップ支援事業(以下DTSU)」において、「認知症診断の最適化を実現する汎用的AI脳画像診断技術の開発」プロジェクトが採択されました。このたび上記プロジェクトが採択されたのは、PCAフェーズ(実用化研究開発(後期))で、試作品の開発や初期の生産技術開発などに加え、主要市場獲得に向けた事業化可能性調査の実施などを支援するフェーズです。最大10億円の助成額となります。(助成率:3分の2)
本プロジェクトでは、認知症診断フローにおける課題を解決し、AIを活用した画期的な診断ソリューションを開発することで、医療現場への社会実装を目指します。
プロジェクトの目的と背景
認知症は、主に高齢化に伴い発症リスクが高まる疾患であり、日本国内では2025年までに65歳以上の約700万人が認知症を発症すると推定されています。介護保険費用の約20兆円に及ぶ社会的・経済的負担に加え、患者およびその家族への心理的影響も非常に大きい現状があります。こうした状況に対応するため、科学的根拠に基づく標準化された検査手法の導入や、効果的な予防策の開発が急務とされています。
認知症は高齢化社会における主要課題であり、要介護原因の一つとして上位を占めています。しかし、現状の診断プロセスでは以下の課題が指摘されています。
診断の不確実性:
現行の診断プロセスは医師の経験に依存しており、誤診や見落としが発生しやすい。
高度検査の普及不足:
アミロイドPET検査の実施施設が限定的で、普及が進んでいない。
継続的モニタリングの課題:
症状進行の見落としや診断後の症状進行を追跡する仕組みが不足しており、
タイムリーな治療が難しい。
プロジェクトのテーマとポイント
「認知症診断の最適化を実現する汎用的AI脳画像診断技術(※1)の開発」
本プロジェクトでは、2022年 NEDO事業にて採択された「脳卒中と認知症のMRIデジタルバイオマーカーの開発とAI実装」(※2)の研究成果を基に、低コントラストな脳MRI撮像の限界を克服する、脳深部領域を正確に抽出する技術の開発を進めます。これらの高精度に脳領域を抽出する技術とAIを組み合わせることで、よりロバストかつ短時間での脳MRI解析技術の確立を目指します。国内有数の神経領域アカデミアとの共同研究を通じた、オールジャパン体制での認知症診断技術の確立及び、社会実装を推進していきます。
※1 汎用的AI脳画像診断技術:
特定の機器や条件に依存せず、さまざまな施設で撮影されたMRI画像データに対応し、広く臨床現場で利用可能なAIを用いた診断支援技術。
※2 「脳卒中と認知症のMRIデジタルバイオマーカーの開発とAI実装」:
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000017.000060865.html
NEDO「ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)」について
ディープテック・スタートアップ支援事業(DTSU)は、国や世界全体で取り組むべき経済社会課題の解決に資する革新的技術を持つスタートアップを対象とした支援事業です。技術の確立から事業化・社会実装までに長期の研究開発と大規模な資金を要するディープテック分野において、ステージゲート審査やVCとの協調を活用し、研究開発から量産化実証、海外技術実証までを長期的視野で支援します。2024年度のDTSUでは、4回の公募と審査を予定し、総額約200億円の助成を行う予定です。
NEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構) 2024年12月12日発信
新たにディープテック分野のスタートアップ11社を採択しました
https://www.nedo.go.jp/news/press/AA5_101799.html
私たちSplinkは、認知症という高齢化社会における大きな課題に対し、健常段階の予防から発症後の病気と共生できる社会に寄与すべく、医師の方々の適切な認知症診断インフラの一助となることを目指します。これまで医師にとっては診断に悩んだケース、患者にとっては病気の見落としが起きてしまったケースなどがなくなり、質の良い医療が平等に提供され、100歳まで自分らしく人とのつながりの中で生きられる社会の構築に貢献していきます。
株式会社Splinkについて
「すべての人につながりを、その日まで」をビジョンに、認知症をはじめとするブレインヘルスケア(R)領域において、認知症の早期発見から診断支援まで一貫したソリューションをワンストップで提供しています。健常な方から認知機能を簡単に測定できるセルフチェック型認知機能測定ツール「CQ test(R)」、脳MRIをAIで解析し、脳の中でも記憶や学習にかかわりの深い「海馬」領域の体積を測定・可視化、受診者様目線のわかりやすいレポートを届けることで気づきを促す「脳ドック用AIプログラムBrain Life Imaging(R)」、脳MRIより脳の減少度を定量・数値化することで診断に役立つ情報を提供し、診断支援をおこなう「脳画像解析プログラム Braineer(R)」を主力製品として提供しています。
会社名 :株式会社Splink
本社所在地 :東京都港区赤坂1-14-14 WAW赤坂第35興和ビル4階
事業内容 :ブレインヘルスケア事業、医療機器プログラム事業
設立 :2017年1月
代表取締役 :青山 裕紀
URL :
https://www.splinkns.com/
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(2024/12/16 14:00)
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