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コンタクトレンズの普及が進み、特に中高生においては年々使用者が増えている。しかし、目にとってコンタクトレンズは異物であり、使用法を誤るとトラブルが生じる。子どもの目を守るための適切な使い方を、松本眼科医院(奈良県大和郡山市)の松本拓也院長に聞いた。
▽中高生、女子で増加
日本眼科医会によると、コンタクトレンズの使用率は、2006年の調査では中学生が5.9%、高校生が25.2%だったが、15年には中学生が8%、高校生では27%となり、年々上昇している。中学、高校への進学が使用のきっかけとなり、特に女子でその傾向が強いという。
初めての時は親子で受診し、正しい使用法を習得しよう
一方で、コンタクトレンズによる目のトラブルも増えている。多いのは、目の充血や異物感、痛みなど。主な原因は、長時間の装着、洗浄不良、使用期限の超過などだ。「子どもでは、コンタクトレンズの使用の基本的なルールが守られにくいのです」と松本院長は指摘する。
洗浄が不十分だとレンズに付着した細かなごみが取り除かれず、目を傷つける。微小な傷であれば、本来は自己修復する。ところが、コンタクトレンズを使用していると、傷の修復に必要な酸素や涙が十分行き渡らないことから、傷が慢性化して炎症を起こしやすくなるのだという。レンズに付着した花粉などがまぶたに触れ続けることで、アレルギー性結膜炎を起こすこともある。
▽使用は中学生から
こうしたトラブルは、使用法を守っていれば予防できる。レンズは入念に洗浄して清潔を保つ、長時間の装着は避ける、就寝時は外す、眼科で定期検診を受ける、目に違和感を覚えたら使用をやめてメガネに替え、眼科を受診する―といったことだ。
洗うのが面倒、毎日使用しないという場合は、使い捨てのレンズを選ぶのも手だ。初めてコンタクトレンズを使用する時には、親子で眼科を受診し、正しい使用法を一緒に教えてもらうことが重要になる。
松本院長は「コンタクトレンズには子ども用のサイズがありません。成長途上にある小学生では、眼球を覆う範囲が広くなることで、傷の修復に必要な酸素や涙液が不足し、感染症などを起こしやすくなります。コンタクトレンズの使用は中学生になってからが望ましいでしょう」と話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2019/07/29 06:00)
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