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子宮頸がんにかかる女性が増え続け、若年化も進んでいる。対策としてヒトパピローマウイルス(HPV)予防ワクチンの接種や子宮がん検診の受診率向上が重要とされているが、なかなか進まないのが現状だ。こうした中、「がんとセックス~パートナーと考える子宮頸がん~」と題したセミナーが都内で開かれ、司会役を務めた中川恵一・東京大学医学部付属病院放射線科准教授は「原因はセックスによる感染。女性だけでなく男性も正しい知識をもつことが大切だ」と強調し、性交渉の低年齢化に伴う子宮頸がんの拡大に警鐘を鳴らした。
毎年、世界中で多くの女性が子宮頸がんのリスクにさらされている (出典:川名敬ほか 化学療法の領域 22(10):1521-1528.2006)
◇子どもを産めない体に
子宮頸がんは性交を介したHPVが主な原因で女性だけでなく男性も感染する。HPVは性交経験のある女性の7~8割が一度は感染する、ごくありふれたものだが、「女性ですら(感染経路を)知っている人は少なく、ましてや男性はゼロに等しい」のが実状だ。
HPVに感染した女性のうち持続感染した人の約1割が前がん病変になる。早期発見ならほぼ100%完治するが、進行すると子宮全摘出になり、命を落とすこともある。日本全国では年間約1万1千人が子宮頸がんと診断され、約3千人が死亡している。
性交開始の低年齢化が進行し、20~30代で発症する女性が増加。その一方で晩婚・晩産化が進んでいる。若い年齢で子宮頸がんを発症すると妊娠、出産を経験する前に子どもを授かる可能性を断たれることになる。
重田かおるさん
◇夫の前で涙が止まらず
今回のセミナーに参加した重田かおるさんは2008年に46歳で検診を受けた際、子宮頸がんがみつかった。突然のことで頭の中が大混乱になり、待合室で涙が止まらなかったという。さらに手術の説明を受けると、「子宮だけでなく卵巣も取ると聞いて衝撃を受けた」。
それでも、「生きるためには仕方ないと言い聞かせ、気持ちを落ち着かせたが、術後の副作用や後遺症でより不安になった」。夫に知られたくないと思ったが、帰宅すると「夫の前でも涙が止まらなかった」と、当時のつらさを語る。
そうした事態を防ぐためには、HPV予防ワクチンの接種と子宮がん検診による早期発見が重要とされている。
(2019/11/07 07:00)
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