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トーシューズを履いて優雅に舞うクラシックバレエで起こる足の障害は、一般的なスポーツやダンスで起こるものとは違う特徴がある。年間100人以上の新規患者が受診する「バレエ外来」を受け持つ、永寿総合病院(東京都台東区)整形外科の平石英一主任部長は「子どもから大人までバレエはとても人気ですが、足の筋肉が鍛えられるまでは、決して無理な動きをしてはいけません」と呼び掛ける。
◇足首と股関節に障害
平石主任部長は「足の甲が痛くなる『第2中足骨基部疲労骨折』は女性クラシックバレエダンサーに特有で、関節の中にまで骨折線と呼ばれるひびが入り、治りにくいのが特徴です。ジャンプの衝撃で起こる、すねの疲労骨折も目立ちます」と説明する。
三角骨障害は足の親指を曲げるけんも同時に傷めていることが多く、手術でも完全に治らないこともあるという。「中年以降に多い手指の使い過ぎによるバネ指が、10歳くらいの子の足の指に起こることもあります」と平石主任部長。「成長期の子どもに無理は禁物です。バレエの先生とよく相談し、最初から過度な動作をしないことです」と注意を促す。
◇体幹をしっかり鍛えて
バレエを始めたばかりの頃は、股関節を開こうと無理をする人も多い。「骨の向きや形、けんの太さには個人差があり、もともと股関節が開きづらい人もいます。開かない分を膝や足でつじつまを合わせようとすると、負担がかかり障害が出ます」
足の位置や立ち方、テクニックが未熟だとけがをしやすい。「しっかりと体幹や足の筋肉を鍛えるトレーニングを積んでから、トーシューズを履くことです」と平石主任部長は念を押す。また、体重を気にして食事を控えたりすると、骨がもろくなり骨折しやすくなる。しっかりと栄養と睡眠を取ることは、筋肉や骨に修復の機会を与え、けがの予防にもつながるという。
平石主任部長は「バレエ障害は、必ず同じ場所の痛みが継続します。痛みを見過ごさず、ひどくならないようケアすることも、練習と同じくらい重要です」とアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2017/03/01 12:19)
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