治療・予防 2024/11/22 05:00
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~アレルギー患者で活性化(信州大学医学部付属病院 柳沢龍准教授)~
処方箋なしで薬局や薬店で買える一般用(OTC)漢方薬は、他の医薬品に比べて安全性が高いと思っている人も多い。ところが、武蔵野大学(東京都西東京市)薬学部の大室弘美客員教授は「医療用漢方薬と同様に、症状だけでなく証(しょう=体質や体力)が自分に合うものを服用しなければ、十分な効果が得られないばかりか、副作用が生じることもあります」と警鐘を鳴らす。
自分に合ったOTC漢方薬選びには、情報サイトの利用や薬剤師への相談が有効
▽「証」の見極めが重要
漢方薬は、天然に存在する動植物などを原料とする生薬を組み合わせたもの。自然由来であっても毒性があるものや、副作用を引き起こすものがある。例えば、黄芩(おうごん)という生薬を含む漢方薬では、肺に酸素がうまく取り込めなくなる間質性肺炎などの副作用が起きることがある。大室客員教授は「OTC漢方薬の中には、医療用の漢方薬と同じ量が配合されたもの(満量処方)も多く、一般用だから医療用より安全というわけではありません。他の医薬品との飲み合わせにも注意が必要です」と指摘する。
そもそも、漢方薬は使用者の証を踏まえて、症状に合ったものを選択する必要がある。国立医薬品食品衛生研究所・生薬部が提供しているウェブサイト「漢方セルフメディケーション」では、証の見分け方が分かりやすく示され、症状ごとに自分に合ったOTC漢方薬を見つけることができる。例えば、風邪の場合は、鼻炎やせき・たんなどの症状別だけでなく、引き始めやこじれた時など経過別でも、自分の証に応じた漢方薬が一目で分かるようになっている。
▽心身の変化に注意
OTC漢方薬の服用に際し、他の医薬品と同様に必ず添付文書を読み、「用法・用量」「使用上の注意」を守る。すでに他の医薬品(漢方薬を含む医療用およびOTC医薬品)を服用していたり、健康食品を取ったりしている場合には、飲み合わせに問題がないかを事前に薬剤師に相談する。
「満量処方のものをはじめ、高い効果が得られる製品が多数販売されています。安全のために、上記サイトを活用したり薬剤師などの専門家に相談したりして、自分の症状や証に合ったOTC漢方薬を選び、添付文書に従って正しく服用してください」と大室客員教授。
OTC服用中にいつもと違う体や心の変化を感じた場合は、すぐに服用を中止し、医師または薬剤師に相談する。「そのためには、普段から自分の心身の状態を把握しておく必要があります。セルフメディケーションが推進されている昨今、主体的な健康管理のために、証に即して心身の不調に対処するOTC漢方薬は、有効な選択肢の一つと言えるでしょう」と大室客員教授は話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2021/01/18 05:00)
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