間質性肺炎〔かんしつせいはいえん〕

 ぶどうの房状をした肺胞の壁にあたるところ(肺胞壁)に、なんらかの原因で炎症が起こり、しだいに肺胞壁が厚くなるとともに硬い組織へと変化(線維化)する病気です。病原体が肺内に侵入して起こす通常の肺炎とは異なり、病気が伝染することはありません。

[原因]
 原因が不明な特発性間質性肺炎と、膠原(こうげん)病や鳥関連、薬剤、じん肺などの原因があきらかな間質性肺炎に分かれます。特発性間質性肺炎は、胸部CT(コンピュータ断層撮影)検査で、蜂の巣状の所見が特徴的な特発性肺線維症とその他に分かれます。
 特発性肺線維症以外の診断は手術で肺の組織を採取して確定する必要があります。

[症状][診断]
 病気の初期には症状のないこともありますが、進行してくると、たんのないせきや、からだを動かしたときの息苦しさがみられます。健康診断の際に、胸部単純X線検査を受けることによりはじめて間質性肺炎に罹患(りかん)していることを指摘されることも多いです。
 胸部単純X線検査では、左右の肺に淡いすりガラス様の陰影から粒状、網目状、リング状などさまざまな異常影がみられます。また、病気が進行した場合には肺がかたくなり、息を吸っても十分にひろがらず縮小化して、X線写真では横隔膜の陰影が挙上している像が観察されます。

 胸部CT検査では、病巣の微細な陰影を観察することが可能です。病変の分布や性質をみることにより、どのような種類の間質性肺炎かを推測することができます。

 血液検査では、白血球、CRP、LDHの増加がみられ、間質性肺炎の病勢を知るにはKL-6、SP-A、SP-Dなどがバイオマーカーとして役に立ち、病気の悪化とともに高値を示します。
 呼吸機能検査では、低酸素状態を検出するための動脈血ガス分析や酸素飽和度、肺活量、肺拡散能(DLco)などで低下をしていないかを調べます。
 さらに、過敏性肺炎、サルコイドーシス、がん性リンパ管症など特有の病像を示す病気を確定診断するために、気管支鏡を用いて肺の細胞(気管支肺胞洗浄)や組織(経気管支肺生検)を採取することもあります。

[治療]
 特発性以外の間質性肺炎では、原因となっている病気の治療に準じます。
 特発性肺線維症では、最近では呼吸機能悪化の改善を目標に抗線維化薬であるニンテダニブやピルフェニドンを治療に用います。特発性肺線維症以外の特発性間質性肺炎の治療は、炎症を軽減させるための副腎皮質ステロイド薬や免疫抑制薬が一般的に使用されます。低酸素状態に進行した場合には、自宅でも酸素療法をおこないます(在宅酸素療法)。
 また、かぜや気管支炎などにかかることにより急激に悪化する、いわゆる急性増悪(ぞうあく)を生じることがあるので、かぜへの一般的な注意とインフルエンザや肺炎球菌のワクチンなどの予防接種による感染対策が必要です。急性増悪と判断されれば、ステロイド大量療法をおこないます。
 なお、特発性間質性肺炎は国が指定する難病医療費助成制度対象疾病(指定難病)の一つです。
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