治療・予防 2024/04/26 05:00
成長や学力に影響も
~小児期に多い回避・制限性食物摂取症(国際医療福祉大学成田病院 中里道子教授)~
野菜を一切、口にしない子どもや、肉ばかり食べる子ども。栄養が偏ってしまい、成長への影響が気になるが、「子どもが元気なら基本的には大丈夫。関わり方を工夫して」と話すのは、かずえキッズクリニック(東京都渋谷区)の川上一恵院長だ。どう向き合えばいいのか。
◇元気なら問題はない
「どうすれば偏食を改善できるのか」と悩む親は多い。「気持ちを楽にするためにも、少し発想を変えてみて」と川上院長は助言する。
日本人は普段から多彩な食材を口にしているが、海外ではかなり事情が異なる。イヌイットはもともと野菜を食べないし、東南アジアの山岳地帯では食事といえば豆中心。それでも特に寿命が短いわけではない。「つまり、人間は必要最低限の栄養があれば、成長できるということ。多少の偏食があっても、その子が日々成長していて元気なら、基本的に問題はないのです」
特定の物を食べようとしないのは、子どもなりの事情もある。子どもは口の発達が未熟で、味覚も成熟していない。甘味は早くから知覚できるが、酸味や苦味が分かるのはずっと後になってから。山菜など苦いものを好まないのはそのためだ。
「未熟だからこそ、食べられない物が多いのは当然。成長して体の準備ができてくれば、おのずと増えていきます。焦らずにゆっくりと待ってあげることが大切です」
(2017/04/29 14:03)
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