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正常ならほぼ真っすぐの脊柱(背骨)が横方向に曲がってくる脊柱側彎(そくわん)症。人口の2~3%に見られるが、このうち10歳以降の思春期に発症し、原因が明らかでないものを思春期特発性側彎症という。国立病院機構村山医療センター(東京都武蔵村山市)整形外科の許斐(このみ)恒彦医師に聞いた。
▽思春期女子に多く
側彎症は背骨のカーブが10度以上ある状態のこと。思春期特発性側彎症の場合、成長とともに進行し、成長期が終わる高校生くらいで止まる。女子の方が男子の5~8倍多いが、理由はよく分かっていないという。通常、痛みなどの症状はないため、「学校検診で指摘されて受診するケースがほとんどです」。
治療は専門医による定期的な診察とX線検査、体幹に装着して背骨を間接的に矯正する装具療法、背骨を直接真っすぐに矯正し、ねじで固定する手術療法があり、年齢や側彎の進行具合などによって選択される。
許斐医師によると、多くの人は定期的な経過観察でよいが、成長期の前でカーブが20度以上に進行するようなら装具療法を行う。同療法は進行を抑える効果があり、成長期が終わるまで続ける。
カーブが45度以上に進行する場合や装具療法が効かない場合は、手術を検討する。手術後でも成長に伴って進行することがあるので、医師の指示で定期的に通院するのがよいという。
▽家庭でチェックも
適切な治療のためにも早期発見が大切で、学校検診のほか家庭でのチェックも可能だ。子どもに服を脱いで真っすぐ立ってもらい、後ろから見て肩の高さや肩甲骨の位置などに左右差があれば、整形外科を受診した方がよい。
手術を提案され、迷うこともあるだろう。許斐医師は「側彎症の手術は一日二日を争うものではないので、長く付き合える信頼できる医師をじっくり見極めたり、別の医師にセカンドオピニオンを聞いたりするのもよいでしょう」と助言する。
家庭での検査の詳細は、日本側彎症学会のウェブサイトに掲載されている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2022/01/13 05:00)
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