治療・予防 2024/12/23 05:00
薬物療法が大きく進歩
~ぼうこうなどの尿路上皮がん(虎の門病院 三浦裕司部長)~
動物と触れ合うと心が落ち着き、ストレスが和らぐ人は多いだろう。ペットを飼っている人はなでたり抱っこしたりすることで毎日のように実感しているのではないだろうか。「動物をめでるとリラックス効果やストレス解消に加え、病気の回復や協調性が生まれるなどの効果が期待できます」と、あいわクリニック(東京都世田谷区)の横山章光院長(精神科)は話す。
週3日ほどクリニックに「勤務」するスタッフの愛犬ふくくん
◇動物めでて健康に
アニマルセラピーは、動物を通して癒やしを感じて心身を安定させる療法だ。横山院長によると、アニマルセラピーには、医療行為としての動物との触れ合いだけでなく、動物園に足を運んだりテレビの動物番組や動画サイトなどを見ることなども含まれる。
精神科のカウンセリング中に、人間不信に陥っている患者が言葉に詰まったとき、診察室に犬を入れると自分のことを話せるようになることがあるという。また、緩和ケア病棟ではセラピー犬によって患者や家族が癒やしを感じ、医療者とのコミュニケーションが以前より円滑になったという報告もある。
工夫次第では小児科病棟や糖尿病患者などさまざまな分野でも改善が期待できると言われる。アニマルセラピー単独での診療ではなく、従来の治療に加えて動物を介在させるのが基本だ。
◇動物福祉が最優先
アニマルセラピーは世界中で広く行われているが、日本では受診できる医療機関を探すのが難しい。また、動物の個性や患者との相性による部分も大きいため、動物が訓練を受けたかどうかは重要ではないという。
「動物が幸せでないと私たち人間も幸せになれません。長年ペットを飼っている人が多いのは、私たち人間にメリットがあるからこそ。ただ、動物福祉(動物が心身共に健康で幸せな状態)が最優先です。治療を目的とするよりも、とにかく愛情をかけて動物に接するだけで良い効果をもたらしてくれるのだと思います」と横山院長は説明する。現在、同クリニックではスタッフの愛犬が週3日ほどクリニックに「勤務」し、患者に癒やしを与えている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2023/01/07 05:00)
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