治療・予防 2024/11/22 05:00
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脳の小さな血管が障害され、脳卒中や認知症のリスク因子になるとされる「脳小血管病」。琉球大学大学院循環器・腎臓・神経内科学(沖縄県西原町)の石田明夫准教授はこのほど、動脈の硬さ(動脈スティフネス)が増している人に高率で脳小血管病が認められるとの研究成果を発表した。
脳小血管病は血圧の高低にかかわらず、PWV値が高い群で多かった
◇60代で50%超に
脳小血管病は脳の微小な血管の障害で、脳にさまざまな病変が表れる。「自覚症状がなくても、いずれかの病変が人間ドックや、他の病気の診察時にMRIで見つかったときに、脳小血管病があると判断します」と石田准教授。加齢に伴って増加し、「私たちが行った脳ドック受診者の調査では、60代で50%超、70代では約70%に認められました」。
脳小血管病のある人全てで脳卒中や認知症が起こるわけではないが、「脳小血管病のない人よりもリスクが高いということです」。
◇動脈硬い群で高率
脳小血管病の発生には加齢に加え、血圧や動脈スティフネスと関係する可能性が指摘されてきた。「動脈が硬くなると血圧が上昇し、血圧が高くなると動脈はさらに硬くなるという悪循環に陥る結果、脳小血管病が生じると考えられています」
石田准教授らの研究グループは、脳ドック受診者を調査。対象の1894人(平均年齢57歳)のうち、38%が脳小血管病を有していた。
動脈スティフネスは、血管の健康状態を知るための脈波伝播(でんぱ)速度(PWV)検査で評価した。〔1〕血圧とPWVが両方低い〔2〕血圧のみ高い〔3〕PWVのみ高い〔4〕血圧とPWVが両方高いの四つの群に分けた。
その結果、脳小血管病は血圧の高低にかかわらず、PWV値が高い群で55~56%に認められた。一方、PWV値が低い群では約20%だった。PWV値と脳小血管病との関連は、特に60歳未満で強いことも分かった。
「脳小血管病に及ぼす影響は、血圧よりも動脈スティフネスの方が大きい可能性が示されました。比較的若く、リスク因子の少ない人の動脈スティフネスを評価することで、脳小血管病を早期に発見できる可能性も考えられます」(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2024/06/20 05:00)
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