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野球をする小学生から中学2年くらいまでの子どもに多い「リトルリーガーズショルダー」。主な症状は肩の痛みだ。東京慈恵会医科大学付属病院(東京都港区)スポーツ・ウェルネスクリニックの舟崎裕記診療部長は「子どもの将来のため投球数を守り、肩に負担のかからない投球フォームを身に付けさせることが大事です」と強調する。
▽手投げで成長線に負荷
子どもの骨の端の方には骨を形成する細胞が密集する「成長線」という軟骨がある。成長線は将来、骨が伸びていくための「のびしろ」だ。
下半身を使わず腕だけで投げる「手投げ」は、成長線に負荷をかけやすい。実際、肩や肘に障害を持つ子どもの大半が投球フォームに問題を抱えている。
検査では両肩のレントゲン写真を撮り、左右の成長線の開きを比べて診断する。痛みがあるうちは投げさせず、リハビリテーション中は再発防止と復帰に向け、肩や肘に負担がかからない投げ方を身に付けさせる。
「リトルリーガーズショルダーになる年齢の子どもはフォームが固まっていないことが多く、リハビリによるフォームの修正が有効です」と舟崎診療部長。復帰後もいきなり元の練習メニューに戻すのではなく、短い距離から投げ始め、1カ月ほどかけて徐々に慣らしていくことが大切だ。
▽受診時期の見極めを
リトルリーガーズショルダーは投球数も影響する。日本整形外科学会では、小学生の全力投球数を1日50球以内、1週間で200球までにするよう呼び掛けている。しかし、少年野球の指導者はライセンス制ではないこともあり、けがへの理解にもかなりの差がある。
週末に集中して練習するチームが多い点にも舟崎診療部長は「どうしても投球数は増えてしまいがち」と懸念を示す。疲れればフォームが乱れて手投げになりやすく、肩への負担が増す。
「子どもは指導者が怖くて痛いと言い出しにくいもの。指導者は子どもの様子をよく観察して、痛みを感じているようなら早めに受診するよう指導してほしい」と舟崎診療部長は強調している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2018/08/25 11:00)
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