2024/12/04 05:00
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医療情報収集のヒント
私は普段、ブログやウェブメディアの連載に加えて、FacebookやTwitter、InstagramなどのSNSを通しても情報発信を行っています。特にTwitterでは、多くの良識ある医師たちが日々役立つ情報を提供しており、患者さんたちの情報収集ツールとしてかなり重要な役割を担っています。
その一方で、SNSでの医療者の不用意な発言が、見ている患者さんを不安にさせたり、不信感を抱かせたりするリスクがあり、情報発信には十分な注意も必要だと感じます。私自身がSNSを通して発信する時に気をつけていることは、三つあります。
不用意に具体的な情報を書いてはならない
◇読み手の不安感に配慮する
医療者にとっては日常的に使う言葉でも、患者さんから見れば不安になる、という類の言葉はたくさんあります。例えば、研修医の先生が「きょうは〇〇を練習した、上達した」「〇〇をやってみたが失敗した」といった投稿をしているのをよく見ます。こうした投稿は、時に患者さんを不安にさせる可能性があるのではないか、と心配になることがあります。
こうした投稿を見た患者さんの中には、「初心者の練習台になった人がいるのか」と感じる方がいるかもしれません。実際に何らかの病気で通院している人は、「医師が自分の体を使って上達している」と思うことで、不快感を抱く可能性もあるのではないでしょうか。誰しも、初心者の技術の向上のために自分の体を差し出したいとは思わないからです。
しかし実際には、経験の浅いビギナーが何かの医療行為をする際は、必ず指導的立場の経験豊富な医師が監督します。「練習」といっても、患者さんに不利益を与えないよう、厳しい監視のもとに行われた「練習」です。
「失敗した」という発言も、読み手にとっては恐怖でしかありませんが、背後に控える指導医がきっちりリカバーし、結果として適切な形で医療行為を終えたのでしょう。こうした若手教育は、医療現場では日常的に行われていることです。医師の教育なくして、未来の患者さんは救えません。
むろん若手だけでなく、全ての医師にとって毎日がトレーニングの連続であり、日々知識と技術を磨くのは、ベテランになっても変わらないことでしょう。当然ながら、患者さんはこうした発想が前提にないため、言葉の使い方や文脈によっては、医療に対して不安感や不信感を抱かせるリスクがあると感じます。言葉の使い方には十分に注意したいものです。
(2019/01/30 06:05)
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