埼玉医科大学総合医療センターでは、血液疾患と膠原病を診療する第2内科が再編され、2007年に血液内科が独立。それと同時に、木崎昌弘医師が血液内科教室の初代教授に着任した。木崎医師は造血器腫瘍を専門とし、国内外で白血病や骨髄異形成症候群、多発性骨髄腫などの診療・研究に携わってきた。
「埼玉県は東京都と隣接するため人口が多いのですが、東京と違い、血液内科のある医療機関の数が限られています。そのため当院に患者さんか集中する傾向があります」(木崎医師)
造血器腫瘍は治療困難なケースが多い。同院では、化学療法や放射線療法に加え、造血幹細胞移植にも対応するべく、あらゆる選択を提供する体制を完備。白血病治療の柱となる化学療法では、複数の抗がん剤を用いる多剤併用化学療法を軸に進めていく。新しい分子標的治療薬が次々と登場するなど、白血病の治療は格段に向上しているという。
ただし、白血病と一口に言っても、急性と慢性、さらに血液細胞の由来によって骨髄性とリンパ性に分けられ、どのタイプの白血病なのかによって治療がかなり違ってくる。そのため、確定診断および治療方針を定めるために、生検によってどのような組織なのかをきっちり診断することが重要となる。そこで欠かせないのが検査部や病理部との密な連携だ。
「造血器腫瘍においては、チーム医療が欠かせないので多職種の連携とともに血液内科と検査部、病理部などの院内の多くの診療部門がきちんと確立している施設のほうが治療成績が良いと思われます。その点、当院では多くの診療科や部門・部署と、スムーズに連携できる点が強みです」(木崎医師)
医師の紹介
診療を受けるには
紹介状がない場合は初診時選定療養費として一定料金が必要。セカンドオピニオンの場合は初診外来ではなく、セカンドピニオン外来に問い合わせた上で受診されたい。
医師プロフィール
1980年 慶應應義塾大学医学部卒業、同大学病院内科研修医
1982年 日本鋼管病院内科医員
1984年 慶應應義塾大学医学部内科助手
1988年 米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)血液腫瘍科博士研究員
1996年 慶應義塾大学医学部内科専任講師
2007年 埼玉医科大学総合医療センター血液内科教授
2010年 埼玉医科大学医学部長補佐、同大学院医学研究科博士課程運営委員長を兼任
2014~2016年 同センター副院長
2015年 埼玉医科大学副学長、大学院医学研究科長
2023年 埼玉医科大学名誉教授、埼玉医科大学総合医療センター血液内科客員教授
1982年 日本鋼管病院内科医員
1984年 慶應應義塾大学医学部内科助手
1988年 米国カリフォルニア大学ロサンゼルス校(UCLA)血液腫瘍科博士研究員
1996年 慶應義塾大学医学部内科専任講師
2007年 埼玉医科大学総合医療センター血液内科教授
2010年 埼玉医科大学医学部長補佐、同大学院医学研究科博士課程運営委員長を兼任
2014~2016年 同センター副院長
2015年 埼玉医科大学副学長、大学院医学研究科長
2023年 埼玉医科大学名誉教授、埼玉医科大学総合医療センター血液内科客員教授
所属学会
日本内科学会 総合内科専門医(指導医)・評議員、日本血液学会 専門医(指導医)・名誉会員、日本癌学会 評議員、日本臨床腫瘍学会 暫定指導医・評議員、日本骨髄腫学会 代議員、日本検査血液学会 評議員
主な著書
『血液のがん 悪性リンパ腫・白血病・多発性骨髄腫』(2020年主婦の友社)監修
(更新日:2024年10月25日)