医療・医薬・福祉

GEヘルスケア・ジャパン、医師不足が著しい神奈川県県央医療圏の医療ニーズに応えるデジタル・ソリューションを提供

GEヘルスケア・ジャパン株式会社
‐海老名総合病院におけるコマンドセンターの導入を通じて、新規入院患者数の増加、救急応需率の向上、職員の負担軽減など病院運営の効率化を実現‐

医療課題の解決に取り組むGEヘルスケア・ジャパン株式会社(本社:東京都日野市、代表取締役社長兼CEO:若林正基、以下GEヘルスケア)は、医師不足が著しい神奈川県県央医療圏の医療ニーズに対応するべく、2023年6月より社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス 海老名総合病院(以下、海老名総合病院)と連携し、コマンドセンターの導入・稼働を開始しました。


背景:
神奈川県県央医療圏は人口約83万人*1を擁しながらも、人口10万人あたりの医師数は神奈川県内で最低レベルにあり、医療需要に対して医療従事者が少ないという厳しい状況が長きに渡り続いていました。当該医療圏において、海老名市を中心に急性期医療の中核を担う海老名総合病院は、超高齢化などにより増加の一途にある医療需要に対応するべく様々な取り組みを進めきましたが、救急への対応や患者さんの受入数などにおいて頭打ちの状況が続いていました。

主要な課題としてあったのが、病床稼働率が一定の割合を上回ると入院の受け入れが難しくなり、それに伴って、紹介や救急応需率も低下し、地域の医療需要に応えきれていないという状況でした。様々な検討の結果、打開策としてGEヘルスケアが世界に先駆けて開発・提供を開始した「コマンドセンター」の導入を決定。GEヘルスケアの医療コンサルタントとの協議を重ね、地域医療のニーズの明確化、施設の課題の洗い出し、ソリューションの構築などを経て、2023年6月の隣接地に新築された新病棟への移転と同時に、コマンドセンターの本運用を開始しました。

その結果、6月以降の新規入院患者数、救急応需率、病床稼働率は共に上昇を続け、コロナ禍以前の水準と比較しても高い実績を上げています。具体的には、病床稼働率はコマンドセンター稼働と病棟移転の前の88.2%から92%に改善し、これに伴い新規入院患者数がコロナ禍以前の2019年の実績と比較しても2.7%増加し、救急受け入れ件数も同じくコロナ禍以前の2019年の実績と比較して26.5%増加しました。(図1参照)

海老名総合病院の副院長兼患者サポートセンター長の小泉正樹氏は次のように述べています。
「病棟移転後も病床数は変わっていませんが、多人床を減らし、高機能病床を増やしました。達成したような入院患者数や稼働率の伸びは病床構成の改良だけでは成し得なかったと思います。コマンドセンターでリアルタイムなベッド状況が可視化され、以前は稼働率85%を超えると受け入れが難しい状況でしたが、今では90%を超えても順調にベッドコントロールが出来ています。コマンドセンターを導入する過程でGEヘルスケアが我々の課題を明確にするサポートをしてくれて、その課題を解決するためには何を可視化してどう運用を変えるべきかを一緒に考えてくれました。こうしたプロセスは我々のスタッフの意識や行動を変えていく上でも非常に効果があったと感じています。コマンドセンターの効果を実感出来たので、今後も活用の幅を拡げたいと考えており、例えば法人内の座間総合病院(344床/ケアミックス)と連携して収容先を決定する試みを始めたので、地域全体での最適な病床リソース配分にもコマンドセンターを活用したいと考えています。」

更に、医療従事者が限られている中で、コマンドセンターによって情報を探すための無駄な時間が削減され、看護職員の負担軽減や、より患者サービスに時間を割くことが出来るなどの効果も生まれています。

海老名総合病院の看護係長兼ベッドコントロールマネージャーの川上香織氏は次のように述べています。
「毎朝病棟管理者が全員集まり、病床調整ミーティングを行っています。コマンドセンター導入前は各病棟の空床や入院予定などを報告し、それをホワイトボードに書き込んでから議論していましたが、導入後はコマンドセンターにすべての情報が可視化されたことで、空床報告の時間はゼロになり、ミーティング時間が半減しました。また私自身も情報取集する時間が短縮されて、病床や患者把握がすぐにでき迅速にベッドコントロールができるようになりました。時間の短縮化によって、病棟管理者が早く病棟に戻りスタッフとの対話や業務調整を行うことで、業務の効率化やスタッフの負担も軽くなったと思います。」(図2参照)

社会医療法人ジャパンメディカルアライアンス本部 役員室兼エリア執行本部 地域連携統括部次長の松原寛則氏は次のように述べています。
「コマンドセンター導入にあたり病院の抱えている課題について本質まで掘り起こして整理し、その課題を解決するためにコマンドセンターが活用できそうな点について徹底的にGEヘルスケアの担当チームと一緒に議論を重ねた結果、根本的な課題解決だけでなく、その副次的な効果として、全体最適で物事を考えていく集団に変化することができたのは大きな収穫です。また、コマンドセンターは様々な機能を持ったTileがありますが、どのTileも電子カルテの情報を集約してリアルタイムに表示する事に長けている点は共通の特徴です。様々な職種で情報収集に時間を要する事は共通課題であるため、その時間を短縮し、行動する時間に変えることができるので、ベッドコントロールシステムとしての活用以外にも色々な角度から医療DXを推進できるツールだと感じています。」

海老名総合病院の院長であり、さがみメディカルパートナーズ(以下、SMP)の代表理事でもある服部智任氏は次のように述べています。
「海老名総合病院単独ではコマンドセンターを活用して病床の有効利用に既に成果を上げていますが、地域全体の医療需要に応え、提供する医療サービスの効率化を図る必要があると考え、2019年に設立していたSMPにおいても、SMPに参加している各施設の病床状況を見える化し、病態に適した医療機関へのスムーズな転院が可能となる仕組みづくりを、コマンドセンターを使って始めています。受け入れ側病院から急性期病院側に「〇〇さんは転院可能ですよ」といった連絡が入るようなプル型の転院調整の実現をコマンドセンターに期待しています。」

GEヘルスケア・ジャパンの代表取締役社長兼CEOを務める若林正基は次のように述べています。
「病院運営を取り巻く環境は厳しさを増す中で、私たちは単に製品やサービスを提供するだけでなく、お客様の目指す姿や目標を理解し、その実現をお手伝いするための様々な取り組みを行なっています。その一環でもあるコマンドセンターというソリューションの提供は、システムを稼働させることがゴールではなく、お客様の目標が達成されることを私たちのゴールとし、成果を出すことにこだわっています。国内第一号のコマンドセンター稼働事例である淡海医療センター様で病床稼働率など高い成果が出たのに続き、海老名総合病院様でも高い成果に繋がったことを非常に嬉しく思います。お客様の成長と共に私たちも成長し、お客様に選ばれ続ける存在でありたいと思います。」



*1・・・厚生労働省「二次医療圏ごとの人口動態・患者動態等」参照

海老名総合病院について
県央地域を支える地域密着高度急性期病院。2017年に神奈川県県央医療圏初の救命救急センターを開設しました。2023年5月に新棟(西館)が完成し、医療体制の強化と療養環境が改善。DXの推進にも力を入れています。24時間365日断らない救急医療の実現を目指します。
詳細はホームページhttps://ebina.jinai.jp/をご覧ください。

GEヘルスケア・ジャパンについて
GEヘルスケア・ジャパン株式会社は、GEヘルスケアの中核拠点の1つとして1982年に創設されました。予防から診断、治療、経過観察・予後管理までをカバーする「プレシジョン・ケア」の実現を目指し、インテリジェント機器やデータ分析、ソフトウェア、サービス等を提供しています。国内に研究・開発、製造から販売、サービス部門までを持ち、日本のお客様のニーズにお応えしつつ、日本が直面する医療課題の解決に取り組んでいます。日本における社員数は約1,500名、本社および60カ所の事業拠点があります。
詳細はホームページをご覧ください。
https://www.gehealthcare.co.jp/
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