株式会社キャンサースキャン
恵庭市民(国民健康保険と後期高齢者医療保険制度の加入者)へ骨粗鬆症受診勧奨を実施、受診率は前年度比約5倍を達成
株式会社キャンサースキャン(本社:東京、代表取締役:福吉潤、以下「キャンサースキャン」)、北海道恵庭市(市長:原田 裕)、およびアムジェン株式会社(本社:東京都港区、代表取締役社長:ニール・マグレガー、以下「アムジェン」)は、2022年12月に締結した「骨粗鬆症疾患啓発の推進に係る連携・協力(疾患啓発コモンズ)」に関する協定に基づいて実施した受診勧奨事業(以下、本事業)の報告書を公開しました。
本事業では、二次骨折のリスクが特に高いと考えられる方(過去に脆弱性骨折を経験しているが(1)骨粗鬆症の治療履歴がない、または(2)骨粗鬆症の治療を中断している恵庭市民(国民健康保険と後期高齢者医療保険制度の加入者))に向けて、「骨粗鬆症」に関する検査や受診を促す勧奨通知を送付しました。この結果、骨粗鬆症に関連した医療機関受診率は、前年度比約5倍となりました。
■背景
「骨折・転倒」は、「認知症」「脳血管疾患(脳卒中)」に次ぐ、高齢者の要介護認定の主な要因となっています。高齢者の骨折の多くは、骨の強度が低下し、わずかな外力で起こる脆弱性骨折で、その要因は骨粗鬆症です。一度、脆弱性骨折を経験した患者は、次の骨折を連鎖的に引き起こすリスクが高いことから、早期介入による骨粗鬆症の治療が求められます。
しかし、脆弱性骨折を経験した方の多くが骨粗鬆症の治療を受けていないことも明らかとなっています。恵庭市の国民健康保険および後期高齢者医療制度加入者のデータを分析すると、脆弱性骨折を経験した患者のうち64%が適切に骨粗鬆症の薬物療法を受けていないと推定されます。介護予防・健康寿命の延伸はもちろん、医療費適正化の観点でも繰り返す骨折を防ぐことが急務とされています。
このような状況を踏まえ、骨粗鬆症による再骨折の可能性を伝えて市民に適切な検査や治療を促すことを目的に、本事業を実施しました。
■事業実施概要
■主な結果
1.通知送付後3カ月で、33.7%(35人/104人)の方が骨粗鬆症に関して医療機関を受診。
※北海道恵庭市 「脆弱性骨折の予防を目的とした骨粗鬆症の疾患啓発事業報告書」より改変
2.対象者は女性80―84歳で24人と最も多く、10人(受診率41.7%)の受診を促すことができました。
※北海道恵庭市 「脆弱性骨折の予防を目的とした骨粗鬆症の疾患啓発事業報告書」より改変
本事業を通じて、脆弱性骨折の既往があり、かつ骨粗鬆症の治療が必要と考えられる方に個別の受診勧奨通知を送付することで、医療機関受診を促せることが分かりました。
本報告書の詳細は、恵庭市ホームページをご参照ください。
ウェブサイト:
https://www.city.eniwa.hokkaido.jp/kurashi/kurashi_tetsuzuki/hoken_josei/kokikoreishairyo/16380.html
脆弱性骨折について
世界的に、50歳以上の女性3人に1人、男性5人に1人が骨粗鬆症による脆弱性骨折を起こすとされており、高齢化に伴いこの数はさらに増加する見込みです(*1)。また、骨粗鬆症による椎体骨折や大腿骨近位部骨折は、日々の活動に著しく影響し、患者さんのQOLを低下させ、救急病棟を含む通院を増やし、医療費の増加につながります(*2)。大腿骨近位部骨折患者さんのその後の生存率は、一般人口より低い推移を示します(*3)。こうした状況にもかかわらず、日本の骨粗鬆症患者さんのうち治療を受けている割合は、わずか20%程度(推定)に過ぎません(*4)(*5)。また、脆弱性骨折は介護や寝たきりの要因でもあります。官公庁統計を基にした試算では、骨折・転倒を要因とする介護サービス負担は2018年には1.9-2.8兆円、その中でも家族による介護負担は0.8―1.7兆円と、最も大きな要素となっていることが報告されています(*6)。また、骨粗鬆症で最も頻度の高い椎体骨折や大腿骨近位部骨折に起因して要介護となった患者の介護者の転職・離職率が有意に高く、医療費の負担も大きいことも報告されています(*6)。
恵庭市について
北海道恵庭市は、札幌市と新千歳空港のほぼ中間に位置し、恵まれた交通アクセスと穏やかな気候風土を持つまちで、早くから住宅地整備を進めると共に、公共下水道や大学・専門学校、工業団地などの都市基盤の整備が進められ着実に人口が増えてきております。
また、支笏洞爺国立公園を後背地とした恵庭渓谷は、「白扇の滝」や「ラルマナイの滝」などが点在し、市の観光スポットとして、また、最近では市民主導による花のまちづくりが盛んで「ガーデニングのまち」として全国的に知られるようになりました。
現在、第5期恵庭市総合計画(平成28年度~令和7年度)では、将来都市像を「花・水・緑 人がつながり 夢ふくらむまち えにわ」とし、「時代に沿った地域運営」、「暮らしの安全安心」、「次世代へつなぐ自然環境」、「人と人とのつながり」、「情報発信・魅力PR」の5つの「まちづくりの視点」を明らかにして施策を推進します。
ウェブサイト:
https://www.city.eniwa.hokkaido.jp/index.html
株式会社キャンサースキャンについて
キャンサースキャンは、「人と社会を健康に」というミッションの達成に向け、データサイエンスとマーケティング、行動経済学、公衆衛生の専門知識を掛け合わせ、特定健診の受診勧奨や生活習慣病の重症化予防を目的とした受療勧奨、がん検診の受診勧奨、予防医療に関する新たな事業開発等、日本の予防医療の推進を支援する各種事業を展開しています。
累計700以上の市町村での各種保健事業の実施支援を通じて、コミュニケーションを変え、社会の仕組みを変えながら、健康になるための行動変容にフリクションがない世界を目指しています。
ウェブサイト:
https://cancerscan.jp/
アムジェン株式会社について
アムジェン株式会社は、世界最大規模の独立バイオテクノロジー企業である米国アムジェン社の日本法人です。アムジェン株式会社では、循環器疾患、がん、骨疾患、炎症・免疫性疾患、神経疾患、希少疾患を始めとするアンメット・メディカル・ニーズが高い領域に焦点を絞り、「To serve patients - 患者さんのために、今できるすべてを」というミッションのもと、臨床開発から販売までの活動を行っています。詳細については
http://www.amgen.co.jp をご覧になるか、
https://www.facebook.com/amgenjapan をフォローしてください。
注意事項(アムジェン株式会社)
このニュースリリースに含まれている医薬品(開発中のものを含む)に関する情報は、宣伝広告、医学的アドバイスを目的とするものではありません。
この件に関するお問い合わせ先
恵庭市
国保医療課
TEL:0123-33-3131(内線1167)
アムジェン株式会社(東京)
コーポレート・アフェアーズ
TEL:03-4520-2447
株式会社キャンサースキャン
コモンズ事業部
TEL:03-6420-3390
E-mail:info@cancerscan.jp
References
*1.International Osteoporosis Foundation. Facts and statistics: Epidemiology of osteoporosis and fragility fractures
*2.Fujiwara, S, et al. J Bone Miner Metab. 2019; 37(2): 307-318.
*3.折茂肇. 日本臨牀. 2004; 62(増刊2): 1-6.
*4.International Osteoporosis Foundation. Patient Brochure.
http://share.iofbonehealth.org/WOD/2012/patient_brochure/WOD12-patient_brochure.pdf. 2024年2月にアクセス.
*5.Tsuboi M, et al. J Bone Joint Surg Br 89(4):461, 2007
*6.ミリマン・インク 日本における骨折による介護負担とその推移‐官庁統計を用いた分析.
https://jp.milliman.com/-/media/milliman/importedfiles/uploadedfiles/insight/2019/client-report-fracture-care-cost.ashx. 2024年2月にアクセス.
企業プレスリリース詳細へPR TIMESトップへ
(2024/03/29 11:00)
- データ提供
-
本コーナーの内容に関するお問い合わせ、または掲載についてのお問い合わせは株式会社 PR TIMESまでご連絡ください。製品、サービスなどに関するお問い合わせは、それぞれの発表企業・団体にご連絡ください。