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日本女性の6割、「子宮頸がん検診を受けたことも・受ける予定もない」検診を受ける意向は最も消極的 女性の健康管理に関するAPAC8カ国・地域の調査

ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社
ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社(本社:東京都港区/代表取締役社長 兼 CEO:小笠原 信)は、ロシュ診断薬事業部門 アジア・パシフィック・リージョン(シンガポール)が行った女性の健康管理に 関する調査をもとに、日本の特徴をまとめました。この調査は2023年12月13日~20日に、日本を含むアジア・パシフィック地域(以下、APAC)の8つの国と地域で、25-50歳の女性 2,836名を対象に行われました。


日本に関する ハイライト
「子宮頸がん検診を受けたことも・受ける予定もない女性」が6割で、検診を受ける意向は最も消極的

子宮頸がん検査の痛みへの懸念や、自分の健康に無関心な度合いが強い

検査に対する理解が8カ国・地域で最も低い


図表1より抜粋

【調査概要】
■ 調査対象:APAC8カ国・地域の25-50歳の女性 2,836名
  内訳:オーストラリア(354名)韓国(354名)中国(366名)タイ(352名)ベトナム(351名)
     香港(351名)日本(358名)インド(350名)
■ 調査期間:2023年12月13~20日
■ 調査方法:インターネット調査

今回の調査によると、日本はAPACの国・地域と比較して、子宮頸がん検診を受けたことがないと回答した人と、受ける予定がないと回答した人の割合が最も高かったことが明らかになりました。

日本は先進国の中で唯一、子宮頸がんの患者が減少していない国であり、子宮頸がんによって毎年約3,000人が命を落としています※。日本は他国と比べ、女性の疾病が医療制度の中で平等に扱われていると考えられており、 家庭の事情で検査に行くことができない人も多くはありません。それにも関わらず受診率が低いという背景には、 痛みへの懸念、自身の健康への過信・無関心、検査に関する正しい知識の不足が影響していると考えられます。
※国立がん研究センターがん情報サービス「がん統計」(厚生労働省人口動態統計)

子宮頸がんは早期発見・早期治療をすれば治る病気です。ロシュはこれからも子宮頸がん検査の知識や、検査は 自分自身を知ることができるものであるという認識を浸透させるとともに、幅広いソリューションの提供を通して検査後のサポートにも尽力していきます。

<ロシュ・ダイアグノスティックス 子宮頸がん領域担当 渡邊 佳代子のコメント>
日本は子宮頸がん検診の受診率の向上がなかなかみられず、死亡率も増加しています。今回の調査でも、6割もの日本の女性が検診を受けたことがないという事実が明らかになりました。子宮頸がんの検診・診断に関する製品を 扱っている診断薬メーカーとして、女性の子宮頸がんによる死亡率減少に寄与できるよう、これからも適切な検査の普及に努めます。
ロシュの子宮頸がん検診情報サイト「あかずきん.jp」https://www.aka-zukin.jp/ では、検査の詳細を記載しています。

【日本の調査結果のサマリー】
1.「子宮頸がん検診を受けたことも・受ける予定もない女性」が6割で、検診を受ける意向は最も消極的
日本女性の57%が「子宮頸がん検診を受けたことはなく・予約する予定もない」と回答。8カ国・地域中最も多く、検診への意識が最も消極的(図表1)

年代別では、40歳未満の日本女性の63%、40歳以上の50%以上が「子宮頸がん検診を受けたことはなく、予約する予定もない」と回答。特に20代、30代の女性が検診に消極的であることが伺える(図表1)

インド、香港も子宮頸がん検査に消極的な傾向(図表1)

受診率の高かった国は、オーストラリア、韓国で60%以上の女性が受診したことがあると回答(図表1)



図表1:子宮頸がん検診の受診状況


2.子宮頸がん検査の痛みへの懸念や、自分の健康に無関心な度合いが強い
日本女性が子宮頸がん検査を受けない理由の上位3つは、「痛いことが心配 (25%)」「自分に悪いところはないと思っている(18%)」「自分に重要/関係あると思わない(17%)」であり、痛みを懸念する割合や、自分の健康に無関心である割合が他国より高い(図表2)

一方APAC全体の理由は、34%が回答した「自分に悪いところはないと思っている」で「結果が心配」「痛いことが心配 」(ともに17%)と続く(図表2)



図表2:子宮頸がん検査を受診しない理由


3.検査に対する理解が8カ国・地域で最も低い
日本は「検査または検診」「女性の健康に関する検査または検診」「子宮頸がんの検査または検診」それぞれの項目に対する理解が8カ国・地域の中で最も低い(図表3)

しかし、検査への理解が深いインドにおいて、子宮頸がん検査の受診率は高くなっておらず、検査の知識や理解があるからといって検査へのアクセスが良いとは限らないことも伺える(図表3)



図表3:各国・地域の検査への理解度


【その他の日本のサマリー】
前述のハイライト以外にも、医療制度における女性の疾病の位置づけや、家族への責任による治療の延期等において、日本特有の結果が見られた。

1.「医療制度の中で女性の疾病が軽視されている」と回答した人、「家族への責任(育児など家庭の事情)により治療を遅らせたり、避けている」と回答した人の比率が最も少ない
「医療制度の中で婦人科系疾患が軽視されることが多い」と回答した割合は日本が29%で8カ国・地域中最も低く、インド、オーストラリア、中国は6割以上と高い(図表4)

日本は、家族への責任により治療を先送りさせたり、避けたりしたことがある割合が1割と最も少ない(図表5)

これまで検査を受けたことがない日本の女性の中で「家族との時間は重要である」と回答した割合は45%にとどまり、家族以外の理由で検査を避けている女性が多いことが推察される(図表5)

APACでは、育児などの家庭の事情により受診の予定を立てることができないなど、女性の強い家族意識が 医療へのアクセスに影響を及ぼしている可能性がある(図表5)



図表4:各国・地域の医療制度における女性の疾病の位置づけ


図表5:家族への責任が受診・治療に影響を及ぼす割合


2.日本女性の半数以上が、『男性は、女性の疾患に十分注意する重要性がわかっていない』と感じている。8カ国・地域の平均よりは少ない
日本の55%の女性が、「男性は、女性の疾病に十分注意する重要性がわかっていない」と回答している (図表6)

APAC全体では約7割が「男性は、女性の疾病に十分注意する重要性がわかっていない」と回答しており、特に中国、インド、タイ、ベトナムでこの傾向が強い。これは、医療システムや家での生活状況において、女性の健康への関心、意識の低さを示すと考えられる(図表6)



図表6:男性の女性の疾患に対する認識



ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社について
ロシュは、1896年にスイスのバーゼルで創業した、150以上の国や地域に拠点を持つ世界最大級のヘルスケアカンパニーです。医薬品と診断薬を併せ持ち、医療従事者や患者さんの最適な治療選択や意思決定をサポートしています。
ロシュ・ダイアグノスティックス株式会社は、ロシュ診断薬事業部門の日本法人です。検査を通じて自分自身の今を知ることで、人生において自分らしい決断ができる、という信念のもと、革新的な診断ソリューションの提供を通して、予防・診断・治療・予後のすべてのステージで人々に寄り添い続けています。2024年1月現在で全国8都市にオフィスを有し、体外診断用医薬品・医療機器事業、研究用試薬・機器事業などを幅広い疾患領域で展開しています。
詳細はホームページhttp://www.roche-diagnostics.jpをご覧ください。
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