医療・医薬・福祉

ゲノムマップ解析技術を用いたヒトゲノム構造多型受託解析をジーンベイ社と開始

日立ハイテク
 株式会社日立ハイテク(以下、日立ハイテク)は、株式会社ジーンベイ(以下、ジーンベイ社)とゲノムマップ解析技術を用いた受託解析サービス事業(以下、本事業)を開始しました。  日立ハイテクは、独自のElectronic Genome Mapping技術によってゲノムマップデータ*1を取得する装置「OhmX」とゲノムマップデータをクラウドで解析するシステム「Human Chromosome Explorer(R)(以下、HCE)」を組み合わせてヒトゲノム構造多型*2を解析する、「ゲノムマップ解析ソリューション」を提供しています。ジーンベイ社は、次世代シーケンサ法(以下、NGS)をはじめとしたゲノム解析などの受託解析サービスを提供しています。本事業では、日立ハイテクの「ゲノムマップ解析ソリューション」を用いた受託解析サービスを、基礎および臨床研究者向けにアーリーアクセス*3としてジーンベイ社が提供します。


 


 日立ハイテクは、「OhmX」を開発したNabsys社を2024年8月に連結子会社化*4するなど、がんや未診断疾患の研究を支援するゲノムマップ関連事業のグローバル展開に向けて取り組んでいます。ヒトゲノム解析市場において幅広いネットワークを持つジーンベイ社と協業することで、「ゲノムマップ解析ソリューション」をより多くのお客さまに提供し、ゲノムマップ関連事業をはじめとした分子診断事業を強化していきます。

*1 ゲノムマップデータ:ゲノム全体のある特定の塩基配列を検出し、印をつけた(マッピングした)データのこと。
*2 構造多型:個人間のゲノムの違いのうち50塩基対以上の長さの変異のこと。構造多型には、挿入や欠失、逆位や転座などがある。
*3 限定されたお客様に対して、正式サービス開始に先立ってサービスを提供するもの。
*4 2024年8月1日発表ニュースリリース(https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/news/nr20240801.html )

■背景
 がんや、臨床的な所見を有しながらもその原因や診断方法を解明できていない未診断疾患の研究においては、ゲノム構造多型の位置を特定・検出するヒトゲノム構造多型解析が求められています。この要求に対し、NGSでは大規模なゲノム構造多型を正確に検出することは難しく、NGSを補完する技術としてゲノムマップデータを用いたゲノム構造多型解析技術のニーズが高まっています。
 日立ハイテクは、これまでも「OhmX」や「HCE」の開発において、ヒトゲノム解析に関して豊富な知見を持つジーンベイ社と連携してきました。本事業開始により、研究者が先端技術である「ゲノムマップ解析ソリューション」にアクセスすることが容易となり、ヒトゲノム構造多型解析によるがんや未診断疾患の研究の発展につながることが期待できます。

 日立ハイテクは、「Innovating Healthcare, Embracing the Future」をヘルスケア事業のパーパスとして掲げ、「診断×治療×デジタル」により、体外診断の高品質・高機能化、放射線治療の低侵襲化など医療全体の最適化を支えるヘルスケア・イノベーションの創生に取り組んでいます。本協業を通して、日立ハイテクグループが掲げている「がんを恐れることのない社会」をめざすとともに、今後も、患者一人ひとりに寄り添った医療の提供をサポートすることで、世界の人々のQoL(Quality of Life)向上に貢献していきます。

※「Human Chromosome Explorer(R)」は日立ハイテクの日本における登録商標です。

■ジーンベイ社について
 最先端のNGS解析からバイオITソリューションまで幅広く提供する新興企業。食品、医療、製薬、農業、水産、畜産、化学、環境など幅広い領域で受託サービスを提供し、ゲノム研究を支援しています。最先端の技術をもつ国内外の企業と連携しながら事業を拡大しており、これまでに産官学における約300機関との契約実績を有します。強みであるIT技術とバイオを融合させ、ゲノム情報を享受できる社会の実現に貢献していきます。
 詳しくは、ジーンベイ社のウェブサイト(https://genebay.co.jp/ )をご覧ください。

■日立ハイテクについて
 日立ハイテクは、医用分析装置、バイオ関連製品、放射線治療システム、半導体製造装置、分析機器、解析装置などの製造・販売に加え、モビリティ、コネクテッド、環境・エネルギーなどの産業分野における高付加価値ソリューションの提供を通して、幅広い事業領域においてグローバルな事業展開を行っています(2024年3月期日立ハイテクグループ連結売上収益は6,704億円)。強みである「見る・測る・分析する」というコア技術をベースに、事業を通してさまざまな社会課題解決および持続可能な社会の実現に貢献していきます。
 詳しくは、日立ハイテクのウェブサイト(https://www.hitachi-hightech.com/jp/ja/ )をご覧ください。
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