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阪大歯学部発ベンチャーのアイキャット、AI音声認識を活用した歯周病診断支援アプリ「PerioDx(ペリオ・ディーエックス)」をリリース。歯周病診断をもっと簡単に、もっとスムーズに。

株式会社アイキャット
概要
大阪大学歯学部発ベンチャーの株式会社アイキャット(大阪府大阪市、代表取締役CEO 西願 雅也、以下iCAT)は、創業21年目を迎え、従来の歯科インプラント治療支援、CT画像診断支援から事業領域のすそ野を広げ、複数の新規事業を開始します。その一つとして、歯科医院での歯周病検査から診断までをトータルにサポートする歯周病診断支援アプリ「PerioDx」(https://periodx.jp/lp/)を2024年12月11日にリリースします。
詳細
「PerioDx」は米国歯周病専門医でもある歯科医師、辻 翔太氏監修のもと、2021年より開発を進めてきた歯周病・インプラント周囲炎診断支援アプリであり、高精度なAI音声認識によるマイクなしハンズフリー歯周検査入力機能と、煩雑な歯周病診断が大幅に効率化できる診断支援機能が特徴です。
<ハンズフリー歯周検査入力機能>
従来の歯周検査では、口腔内を検査しながら同時並行で結果を紙に記載したり、PC・タブレットなどのデバイスに入力する必要があり、「清潔性とスピードを担保するために人的負担をかけてスタッフ2名体制で検査するか?」「1名で検査するかわりに清潔性とスピードを犠牲にするか?」という選択肢しかありませんでした。この問題を解決すべく、これまで様々な音声認識機能を搭載した歯周検査支援システムが開発されてきましたが、日常会話とは大きく異なる専門用語に対する音声認識精度が不十分であったり、専用マイクや端末などを要する煩雑で高額なシステムしかありませんでした。
それら既存システムの課題を解決したのが「PerioDx」のマイクなしハンズフリー歯周検査入力機能です。独自のAI言語モデルにより、専用マイクを使わなくても検査時の専門用語を精度高く音声認識できるハンズフリー入力を実現しました。これにより、人的・費用的負担をおさえ、スタッフ1人で清潔性とスピードを保った歯周検査が可能となります。

口腔内とタブレットを交互に触りながら検査

歯科衛生士2人がかりで検査

PerioDxによる検査 1人で口腔内に集中して検査可能

<歯周病診断支援機能>
そして、「PerioDx」の最大の特徴が、検査入力にとどまらず歯周病診断支援まで実現したことです。
「PerioDx」が対象としたのは日本歯周病学会から発行された「歯周病の新分類への対応」(※)に基づく歯周病診断(以下、新分類診断)です。新分類診断は、患者一人一人に合わせた治療を可能にし、リスクや長期的な予後の予測も可能になるなど、より適切で効果的な歯周治療を可能にするとされていますが、反面、非常に複雑かつ煩雑で診断に時間がかかるため、実際の臨床で活用するのが極めて難しい状況にありました。その課題を解決するために開発したのが、「PerioDx」の歯周病診断支援機能です。口腔内の状態、歯周検査結果、いくつかの問診内容を入力するだけで自動的にステージ・グレードなどの結果・コメントが表示され、歯科医師が承認すれば診断結果が確定でき、新分類診断に慣れた歯科医師でも通常20分以上かかるところ、わずか8分程度で診断できるようになります。くわえて、診断結果はデータ出力可能で、患者とのコミュニケーション・動機付けツールとして活用できることも特徴です。

歯式登録

歯周検査を音声で入力

問診に答えると自動で診断結果が表示


診断結果だけでなく患者の状況に合わせた詳細なコメントが表示

歯周病のリスク評価が自動で生成

(※)参考URL:https://www.perio.jp/file/news/info_191220.pdf
2018年にアメリカ歯周病学会(AAP)とヨーロッパ歯周病連盟(EFP)より公表された、ステージとグレードという新しい分類で歯周炎を診断するフレームワークに対して、1999年に定められた侵襲性歯周炎と慢性歯周炎という従来の分類を廃止せず、新分類と併記するという日本歯周病学会としての対応方針を取りまとめたもの。
<インプラント周囲炎診断支援機能>
さらに「PerioDx」の特徴となるのが、歯科インプラント治療における歯周病と言われる「インプラント周囲炎」に対しても同様の診断支援機能が搭載されていることです。特に、歯周病と異なり、インプラント周囲炎はまだまだ治療法が確立されていないため、発症前に予防することが最大の対策であるとされており、その予防を予知性高く実現させるうえで有効なのが「PerioDx」のインプラント周囲炎の事前リスク診断支援機能です。インプラントといっても、そのネジ形状や歯冠との接合部に様々なタイプがあるのですが、世界的に有名なインプラントメーカー5社の協力のもと、インプラントのタイプごとに適正・迅速なリスク判定ができるシステムを構築しました。
<製品構成・価格>
専用マイクや端末を購入する必要はなく、iPadに「PerioDx」をインストールするだけで利用可能です。費用面でも、人手不足と医業収入の低下にあえぐ日本の歯科医療業界に少しでも貢献するため、導入費0円月額30,000円(税別)のサブスクリプションと低価格に抑えており、従来製品と比較して極めて高い費用対効果を実現しています。
今後の展望
「PerioDx」は日本のみならず海外でも十分活用できるものであり、海外市場での販売も視野に入れております。国内でのリリース後、外国語翻訳など海外向けのカスタマイズを施し、さまざまな国・地域に展開していく予定です
iCATについて
株式会社アイキャット(iCAT Corporation)は大阪大学歯学部の研究成果を基に2003年に設立された大学発ベンチャーです。臨床の現場ニーズを知る歯科医師でもある創業者が研究開発に携わり、3DシミュレーションとCAD/CAMを融合させた歯科インプラント手術支援システムや、独自の画像再構成技術による高画質歯科用CT装置など、先進的なソリューションを開発・販売してきました。
近年ではAI診断支援システムやクラウド型マルチコミュニケーションプラットフォーム、くちトレアプリの開発など、さらに事業の裾野を広げております。
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