2021/06/23 05:00
人生の最後まで自分の足で歩くために
(寺師浩人 日本フットケア・足病医学会理事長)
足のクリニックを開業して今年で7年目を迎えますが、クリニックの子どもの足外来には、さまざまなトラブルを抱えたお子さんが来ます。歩き始めたばかりの赤ちゃんからスポーツをする子まで、年齢もさまざまです。
「子どもが痛みを訴えるので、近くの診療所に行ったところ、レントゲンでも異常がないということで、湿布を出してもらいましたが、痛みが治まりません」という話をよく聞きます。
親御さんがインターネットで調べて、わざわざ遠くから連れて来られる方も少なくありません。
スプーンのように反り返る爪。2歳くらいまで続きますが、自然に治ります
全く心配のない方がほとんどですが、このまま放置すると、将来的に問題が大きくなりそうな方もいます。代表例をご紹介しましょう。
◇うちの子、爪が反り返ってる?
まずは心配のないケースから。意外に多いのが、「うちの子、爪が反り返っているんですけど」と言って、ハイハイし始めた頃から、つかまり立ちができる頃までの赤ちゃんを連れて来るケースです。
ハイハイするときは、親指で床を蹴って進むので、爪はスプーンのように反り返ることが多いです。2歳くらいまで、その状態が続きますが、自然に治りますので、心配する必要はありません。
◇子ども用インソールを試して
「歩き方が不自然でよく転ぶ」という場合、左右の脚の長さが違うことがあります。生まれつき脚の長さに左右差がある場合もありますが、脚の長さは同じなのに、足底のアーチの崩れ方に左右差があるために、バランスが取りにくくなっている場合もあります。
歩くたびに足底のアーチがガクンと落ちて、膝が内側に回ってしまうために、膝に痛みが生じるケースもあります。
小学生ですでに外反母趾(ぼし)になってしまう子もいますし、子どもの爪は薄いので、体が重い子は巻き爪になりやすい傾向があります。
子どもの巻き爪に対しては、爪の巻いている部分をカットして、テーピングで対応することが多いです。
これらの足のトラブルのほとんどは、正しい靴やインソールを使ってアーチを支えることで解決できます。いずれも子どもサイズから販売しているメーカーがありますので、まずは市販のものを試してみることをお勧めします。
痛みなどの症状がある場合には、処方として治療用のインソールを作製することもあります。
◇骨の急成長で起こる痛み
成長期に多くみられるのは、骨端(こったん)症、いわゆる成長痛です。身長が急激に伸びる、つまり骨が成長する時期に、スポーツなどで骨に負荷がかかると、痛みを生じる場合があります。
骨が成長するというと、骨全体が膨張して伸びていくようなイメージを持たれるかもしれません。
しかし、実際には全ての骨の先に骨を作り出す細胞が集まった骨端線という場所があり、そこが成長して伸びていきます。
骨端線はレントゲンを撮ると、はっきりと線が映ります。
青線部分が骨端線
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(寺師浩人 日本フットケア・足病医学会理事長)
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タコ、ウオノメも原因を究明して治療
専門の看護師によるフットケアも(足のクリニック表参道)