足の悩み、一挙解決

第13回 子どもの足、放置すると怖いのは?
~巻き爪・タコ・かかと痛・よく転ぶ…~ 足のクリニック表参道院長 桑原靖

 ◇成長痛はかかとに多い

 成長痛はいろいろな場所で起こりますが、かかとの骨の痛みを訴えるケースが非常に多くみられます。

 かかとの骨の骨端線の部分には、アキレス腱(けん)と足底筋膜という強固な組織が付着していて、大きな力がかかっています。スポーツなどでさらに大きな負荷がかかると、増殖中のかかとの骨が両方から引っ張られて炎症を起こし、痛みを感じるのです。

 できるだけ運動を控え、足を休ませると、痛みは改善されますが、無理のない程度にアキレス腱のストレッチをしたり、テーピングをしたり、インソールでアーチを支えて、かかとへの負担を軽減したりすることも大切です。

 成長が止まると、骨端線は閉じて消えてなくなります。逆にいえば、骨端線がまだ残っているうちは、身長が伸びる可能性があるということ。骨端線が確認できなくなれば、成長痛の心配もなくなります。


 ◇過剰な骨が引き起こす障害

 成長期の子どもが訴える痛みを、何でも成長痛のせいだと思い込んでしまうのは問題です。

 バレエや水泳、サッカーなど、つま先を伸ばす運動をしている子どもに多いのが、三角骨障害という病気で、「つま先をピンと伸ばすと、かかとが痛くなる」という症状が特徴です。

 三角骨とは、アキレス腱の真下辺りにある、本来は必要のない過剰骨で、10人に1人くらいの割合であるといわれます。

 日常生活に支障はありせんが、つま先を伸ばすと、三角骨が脛骨(けいこつ=すねの内側の細長い骨)とかかとの骨の間に挟まって炎症を起こし、痛みを引き起こします。

 リオデジャネイロ五輪で銅メダルを獲得した競泳の瀬戸大也選手が、五輪前に三角骨の除去手術を受けたことで話題になりました。

矢印の先が三角骨

 痛みのあるときは安静が第一。当クリニックでは、ステロイドの注射で炎症を抑えるほか、スポーツをする場合は、痛みがあまり出ないような工夫をフォームに加えるなどの対策を考えます。

 悪化すると、足首が腫れて痛みが足全体に広がる場合もありますから、無理をせずに、できるだけ安静を保つことが重要です。炎症を繰り返す場合には手術も検討します。

 ◇タコでなくイボ

 子どもにタコができたと言って受診する場合、たいていはイボです。特に体重がかかっていないところに角質が肥厚している部分があったら、タコではなくイボの可能性が高い。プールなど素足になったときにウイルスに感染したのが原因です。

 イボの場合、表面に黒い点々が見えますから、早めに皮膚科で治療を受けてください。イボの治療は液体窒素で焼きますが、長期間放置して大きくなったり、数が増えたりすると、治療にかなりの時間がかかるため、早めの治療をお勧めします。

 1日1回、せっけんで足をきちんと洗えば、イボができることはありません。毎日の入浴時には、ていねいに足を洗う習慣をつけましょう。

(文・構成 ジャーナリスト・中山あゆみ)


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