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和田アキ子さんや菊池桃子さんがこの病気であることを告白したシェーグレン症候群。自分の体を守るはずの免疫システムが誤って自らの体を攻撃してしまう自己免疫疾患で、膠原(こうげん)病の一つとされる。発症の仕組みが解明されておらず、指定難病となっている。慶応大学病院(東京都新宿区)リウマチ・膠原病内科の竹内勤教授は「シェーグレン症候群は、いかに早期に発見して早期に治療を行うかが経過を左右します」と話す。
症状の感じ方は人それぞれ
▽目や口、全身症状も
シェーグレン症候群は、関節リウマチや全身性エリテマトーデスなどの膠原病に合併する二次性と、他の膠原病を合併しない原発性に分けられる。患者の約94%が女性といわれ、涙腺や唾液腺に炎症が表れるのが特徴だ。主な症状は目や口が乾くドライアイやドライマウスで、両方の症状が出る場合もあれば、どちらか片方の場合もある。
竹内教授は「症状の感じ方はさまざまです。目がゴロゴロする、痛い、見えにくいと感じたり、口の渇きで味が変わった、カラオケで歌いづらくなったなど、渇きとは結びつきにくい症状を訴えたりすることがあります」と説明する。発症後早期には体のだるさや微熱、関節の痛みなど、捉えどころのない症状が出ることがある。
目や口の症状以外にも、皮膚の乾燥や気管の乾きによるせき、女性の場合は腟が乾くことに伴う性交痛など、症状は全身に及ぶ。50~60代に発症しやすいとされるが、慢性的に進行するため気付きにくく、「実際の発症年齢と診断年齢には大きな開きがあると思われます」と竹内教授は話す。
▽違和感あれば受診を
シェーグレン症候群の診断には、唾液腺や涙腺の検査のほか、血液中の抗SS―A抗体と抗SS―B抗体という自己抗体の検査が行われる。発症のメカニズムはまだ解明されていないため、治療は対症療法となる。広範囲に炎症を抑えるステロイド薬を服用し、乾燥には人工涙液、スプレー状の人工唾液などを用いる。竹内教授は「炎症により失われてしまった涙腺や唾液腺の機能は回復しません。どれだけ早く治療に取り掛かれるかが重要になります」と強調する。
シェーグレン症候群は、間質性肺炎や間質性腎炎などの重い病気に移行することもあるので、病気の進行状態や他の膠原病の合併の有無を含め、定期的な受診が必須となる。竹内教授は「目や口の乾燥は意外に意識しづらく、年だからと思いがちです。違和感があれば迷わず受診してください」と呼び掛けている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
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