2022/11/30 14:00
「inochi WAKAZO Forum 2022」3年ぶりの会場開催~「心不全」をテーマに解決策を競う~
武蔵野赤十字病院は専門性の高い医療を提供する医療機関として知られ、救命救急センターの受け入れ患者数は国内有数の高度急性期病院。臨床研修病院としての人気も高く、2020年のマッチングでは10人の採用枠に100人に及ぶ希望者が集まり、全国トップを記録した。昨年、狭き門を突破した臨床研修医2年目の湊怜子さん、佐々真優さんと臨床研修部長の杉山徹医師に医学生がインタビューし、人気の秘密を探った。
武蔵野赤十字病院 左から湊さん 杉山部長 佐々さん
聞き手:榊 華野子(奈良県立医科大学6年)、吉富櫻嘉(順天堂大学医学部6年)、藤野桃子(杏林大学医学部5年)、大串恒誠(長崎大学医学部4年)
◇充実した指導体制、ここなら楽しく学べると直感
―武蔵野赤十字病院を臨床研修先として選んだ決め手はなんだったのでしょうか。
佐々さん 学生時代にこの病院の総合診療科を見学に行った時、3時間のカンファレンスに出席したんです。そのカンファレンスで一つ一つのプロブレム(症例の問題点)についてどう考えているかを先生が研修医に聞いて、ディスカッションされていました。大学ではこのような形でプロブレムリストに向き合うことがなかったので、ここまで詳しくみてもらえるのに魅力を感じました。市中病院では珍しく、抄読会とか勉強会の回数が多いところも気に入りました。あと、私は都会が苦手なので、ほどよく緑があって住みやすい環境もいいと思いました。
湊さん 私は見学の時に働いている人たちが本当に楽しそうで、ここなら楽しい2年間が送れると思ったのが1番大きな理由です。その時の研修医の先生が親切に教えてくださったので、自分が後輩になっても丁寧に教えてくれると思いました。私が志望している産婦人科の見学でも、産婦人科の疾患について上の先生から丁寧に説明していただき、その時の対応が大変よく、ここで学びたいという気持ちが高まりました。
◇総合診療科、救急外来での裁量の大きさはポイント高
―仕事の内容や裁量など、研修の特徴を教えてください。
佐々さん 研修医の仕事は8時半から夕方5時までで、主に診療科をローテーションしているか、夜間や休日の救急外来を担当します。裁量については回っている科によりますが、内科であれば基本的には検査をオーダーしたり、カルテを書いたりするのは研修医の仕事です。もちろんわからないときや間違ったときはこまめに指導してもらえます。
例えば総合診療科であれば、検査や退院を決めたり送り先を検討したりします。コメディカルの方とのカンファレンスは研修医が主体となって行います。患者さんのご家族への電話、入院から退院までのほとんどのことを指導医の先生に相談しながら自分の裁量で行えます。総合診療科における研修医の裁量の大きさというのはおすすめポイントです。
救急外来でも研修医が緊急度に応じて患者さんを診察する順番を決めることから検査をして結果の判断もできます。CTやレントゲンの読影は研修医1人では限界があるので、わからないところは指導医の先生に自分の考えを伝えた上で相談し、アドバイスをいただきながら自分で決められます。救急外来では指導医と1対1でディスカッションしますが、研修医の意見を尊重してくれます。そういう意味でも救急外来における裁量もかなり大きく与えられていると思います。
◇研修医が企画する自主的な勉強会が充実
―素晴らしい指導体制ですね。定期的にレクチャーのようなものがあるのでしょうか。
湊さん 私は勉強会係なのですが、数えてみたら昨年は1年間で77回も勉強会をやっていました。丁寧に指導してくださる面倒見のいい先生が多いと感じます。レクチャーの時にはお手製のスライドで、「面白いでしょ!」と熱く語ってくれる先生もいました。レクチャーの依頼は院内の先生だけでなく、院外だと例えば国立感染症研究所の先生とZoomでやりとりしたり、本を執筆された先生とお話したり、海外の先生とオンラインでつながって、アメリカのレジデントの1日をお話しいただいたこともあります。興味深いお話ばかりで、大変刺激を受けました。
研修医の間でも救急外来で時間がかかってしまったり、対応を間違えたという症例については、1年目2年目の研修医がペアになり、自分たちで考えて調べたことを研修医全体でシェアする勉強会を行っています。武蔵野赤十字病院臨床研修部のfacebookページで、勉強会の様子を随時投稿していますので、興味のある人はぜひフォローしてください。
(2021/05/24 12:35)
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