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うつ病は肥満や糖尿病などの生活習慣病と互いに負のスパイラルで関連すると、国立精神・神経医療研究センターや諸外国の研究から指摘されている。原因やうつ病を防ぐ生活習慣について、帝京大学医学部付属病院メンタルヘルス科(東京都板橋区)の功刀浩教授に聞いた。
▽慢性的炎症がリスク
うつ病と、肥満や糖尿病などの生活習慣病の双方の発症リスクになるのがストレスだ。強いストレスがかかると食欲が低下し一時的に体重は落ちるが、うつ病を発症すると体をあまり動かさない生活が長期間続いて結果的に肥満になりやすい。
また、中程度のストレスが慢性的にかかると、コルチゾールというホルモンの過剰分泌状態が続き、食欲が増す。現代のストレス要因は人間関係や仕事など心理的なものが多く、摂取したエネルギーを消費しきれず、いわゆるストレス太りで肥満になる。
「肥満になると脂肪細胞に慢性的な炎症が生じ、炎症を引き起こすタンパク質(炎症性サイトカイン)が全身に及び、脳の機能障害が起こることがうつ病発症につながります」と功刀教授。
▽運動習慣でリスク低下
このように肥満とうつ病の原因は相互に影響し合うため、生活リズムの乱れがさらに負のスパイラルを招く。まず、生活習慣に関連したうつ病の発症リスクを減らすには、規則正しい生活リズムを保つことや食習慣が重要となる。朝は決まった時間に起床し、日光を浴びることや朝食をきちんと取ることで、体内時計がリセットされる。間食や夜食は肥満につながるので控えたい。
また、功刀教授がポイントに挙げるのが運動だ。「運動は、うつ病のリスクを低下させることが分かっています。運動はコルチゾールの過剰な分泌を抑え、食欲が増すのを防ぐほか、エネルギーを消費することで肥満予防にもなります」
さらに、定期的な運動習慣が加わると睡眠も十分に取れるようになり、疲労がたまりにくくなるといった相乗効果もある。「現代人は生活リズムを意識的に整えない限り、不健康な状態となります。特にコロナ禍ではその傾向が強まります。生活にメリハリをつけ、運動を習慣にして夜はしっかり睡眠を取ることを意識しましょう」とアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2021/08/25 05:00)
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