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ランドセルが重くて心身が不調になる「ランドセル症候群」。その予防法について、名古屋市立大学医学部付属西部医療センター(名古屋市)名誉院長で、みたき総合病院(三重県四日市市)小児科の鈴木悟部長に聞いた。
肩回しストレッチと背伸びストレッチ
▽9割が「重い」
学校用品などを販売するフットマーク(東京都墨田区)が2021年10月、ランドセルを利用する小学1~3年生とその保護者1200人に調査した結果を発表した。
それによると、小学生の90.5%が「ランドセルが重い」と感じていると答えた。重さは平均3.97キロで、3キロ以上ある割合が65.8%を占めた。米小児科学会の基準では、一般的に背負う荷物の重さは体重の10%が望ましいとされている。
3人に1人が通学を憂鬱(ゆううつ)に思ったり、筋肉痛や肩凝り、腰痛などを感じたりしていることも明らかになった。学校に教科書を置いて帰る「置き勉」については、46.8%の小学生が「禁止されている」と回答。ランドセルだけでなく、副教材をかばんに入れて登校している割合は92.0%に上った。
同社は「ICT(情報通信技術)教育で電子端末が支給され始めており、多くの荷物を持ち歩かなければならない実情がある」と指摘。重いランドセルは苦痛になり、不登校予備軍が増える可能性もある。
▽ストレッチで痛み解消
ランドセルの負担を軽減するにはどうすればいいのか。鈴木部長は〔1〕ランドセルの裏側のラバーと背中がぴったり合わさるように背負う〔2〕肩ベルトを調節し、時にはチェストベルトも使う〔3〕ランドセル内の教科書が背中側に行くように固定する(内側にベルトが付いているランドセルもある)―を挙げる。
また首などの痛みを軽くする方法として、ストレッチを勧めている。
肩回しは立って、肩岬(=けんぽう=肩先にある骨)に手を当て、肘が水平になるようにして前に5回、後ろに5回肩を回す。これを1セットとして3回行う。
背伸びのストレッチは、手のひらを体の前で合わせて頭上に上げて伸びをする。息を吐きながら1から10まで数え、ゆっくり片側に体を倒し、今度は1から10まで数えつつ体を真正面に戻す。反対側も同様に、左右1回ずつを1セットとして3回行う。「無理のない範囲で行ってください」と鈴木部長はアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2022/08/11 05:00)
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