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うつ病や双極性障害などの精神疾患では、薬物療法と非薬物療法の「両輪」が治療の鍵となる。非薬物療法の一つとして効果が期待されるのが、光調整療法だ。「非薬物療法の中でも生活に取り入れやすい治療法です」と、大分大学医学部精神神経医学講座(大分県由布市)の平川博文講師は話す。
光線療法(左側)と暗闇療法を合わせた光調整療法
▽症状に合わせ明暗を
光調整療法とは、光線療法と暗闇療法、サングラス療法を組み合わせた治療法である。光を浴びる治療が光線療法で、遮る治療が暗闇療法だ。光線療法は季節によってうつ状態を繰り返す「季節性感情障害」に効果的で、うつ病、双極性障害のうつ状態にも効果のあることが報告されている。
光線療法には10000ルクスの明るい光を30分間浴びる高照度光療法と、薄暗い状態から1~2時間かけて300ルクスまで徐々に明るくする疑似夜明け療法がある。「光線療法は気分を持ち上げ、うつ状態に効果があると考えられます」と平川講師。
一方、暗闇療法は暗い部屋で過ごすことで環境光を遮断し、気分を静める効果「抗躁効果」があるという。「光を遮るためにサングラスを装着する『サングラス療法』も同様に気分を静める効果が期待できます」
光調整療法は副作用も少ないことが特徴の一つ。薬の副作用が心配な高齢者や妊婦でも取り入れられる治療法だ。
▽日常生活で光調整を
光を日常生活に取り入れる上で大事なことは、光と気分がどのように関係しているかを患者自身が実感し、うまく活用することだという。
「うつ状態に傾く時期は意識的に日光を浴びてもらいます。寝る前にカーテンを開けておくことも、自然と朝日を浴びて起床することができるのでよいと思います」。逆に軽そうやそう状態に傾く時期は「部屋の電気を暗くしたり、遮光カーテンで部屋に入ってくる日光を抑えたり、外出する際はサングラスを装用したり、つば付きの帽子をかぶるようにしてみてください」と平川講師はアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2022/09/11 05:00)
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