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尿路結石症は、腎臓から尿道に至る尿路に結石ができる病気で、再発率が高い。尿路結石の中で最も多いシュウ酸カルシウム結石の再発を防ぐ食事について、原泌尿器科病院(神戸市)栄養科の桝田裕子科長(管理栄養士)は「シュウ酸はさまざまな食品に含まれており、食べないことは不可能です。シュウ酸を食べる量や頻度を減らし、食事の度に、カルシウムを一緒に取ることで尿中のシュウ酸が減り、結石の再発予防に有効です」と話す。
カルシウムが豊富なカッテージチーズのユズこしょうソースサラダのレシピ
◇シュウ酸を便に排出
尿路結石は、尿中の成分(シュウ酸、リン酸、カルシウム、尿酸など)が結晶化してできる。治療で結石を取り除くことはできるが、シュウ酸カルシウム結石などのカルシウム結石の5年以内の再発率は45%と非常に高く、食事療法などによる再発予防が重要になるという。
「腸内にカルシウムがあるとシュウ酸と結合し結晶になるため、体内へ吸収されず便中に排せつされます。カルシウムが不足すると吸収されるシュウ酸が増えるため、尿中への排泄量が増加し、シュウ酸カルシウム結石の原因になります」
カルシウム結石の予防には、一定量のカルシウム摂取(1日当たり600~800ミリグラム)が推奨される。「牛乳や木綿豆腐100グラム中には約100ミリグラムのカルシウムが含まれており、効率よくカルシウムが取れます。動物性脂肪や食塩の量が多くならないよう注意し、一日3回の食事で多種類の食品からバランス良くカルシウムを摂取しましょう」
◇切ってからゆでる
カルシウムを多く含む食品は、乳製品、大豆製品、ごま、小魚、野菜類(小松菜やチンゲンサイなど)、海藻類などがある。「通常、牛乳はコップ1杯(200ミリリットル)、低脂肪牛乳はコップ1、2杯が適量です。プロセスチーズは塩分が多いので一日15グラム程度、ヨーグルト(できれば無糖)を100~150グラムが目安です」。すりごま、脂肪や塩分の少ないカッテージチーズは、サラダやおひたしのあえ衣として薦めている。
シュウ酸を多く含む食品には、ホウレンソウなどの葉菜類、タケノコ、紅茶、コーヒー、お茶(玉露、抹茶)、バナナ、チョコレート、ココア、ピーナツ、アーモンドなどがある。葉菜類は、一口大に切ってからたっぷりのお湯でゆでるとシュウ酸の量を減らせる。
「シュウ酸は摂取量を減らす、カルシウムと一緒に取るなどの工夫が大切です。食事療法は自分でできる治療法。一つでも食生活に取り入れてみてください。食事療法に関する悩みや疑問があれば、主治医や管理栄養士に相談してみましょう」と桝田科長はアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2023/04/01 05:00)
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