食事療法〔しょくじりょうほう〕 家庭の医学

 食事療法の基本は、減塩(目標3g/日、多くとも6g/日以下)です。現在、平均的日本人は1日10~12g前後の食塩を摂取しているとされています。通常、腎臓病をもたない人では食塩を1日20g近く摂取しても血圧を上昇させることなく、摂取した塩を体外に尿を通して排出させることが可能ですが、腎臓病のある人では血圧を上昇させることによって塩を体外に排出しているため、慢性腎臓病(CKD)では塩がもっとも重要なかぎを握っていると考えてください。
 次に減たんぱくですが、これも0.5g/kg(体重あたり)/日以下です。さらにカリウムとリンもとりすぎないよう十分に注意しなくてはなりません。特に血中のカリウム濃度が上昇しすぎると、死に至るような不整脈を起こすおそれがありますから、カリウムを多く含む果物や野菜は食べすぎないようにしましょう。
 このような制限があるいっぽうで、エネルギーは十分にとることが要求されます。基本的には1日に体重1kgあたり30kcalとなります。個々の症例に応じた食事療法が特に必要ですので、医師と管理栄養士の指示にしたがいましょう。

(執筆・監修:医療法人財団みさき会 たむら記念病院 院長 鈴木 洋通)
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