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自分は1日に何時間座っているのだろうか―。座る時間は身体活動量の指標の一つとされ、それが長いほど、死亡や生活習慣病のリスクが高くなるとの報告がある。オフィスワーカーの座位時間を縮める方法を、筑波大学(茨城県つくば市)体育系の中田由夫准教授に話を聞いた。
四つの戦略プログラム実施後、身体活動と歩数は増加
◇1日9時間余り
中田准教授はこれまでの報告を踏まえ、「1日の平均座位時間は自宅も含め9時間21分。そのうち労働時間内に占める座位時間の割合は7割を超えます。1日平均歩数もオフィスワーカーが最も少ないことが分かっています」と話す。
コロナ禍で在宅勤務が増えたため、身体活動量は一層減少している可能性がある。
◇身体活動が10分延長
では、身体活動量を増やすために、どのような取り組みが必要なのか。
「単に『運動しよう』『座る時間を減らそう』と呼び掛けるだけではうまくいきません。企業全体で、あらゆる面から対策を講じる取り組みが必要です。労働者のニーズを反映すること、雇用主も満足できることの両方が重要です」
こうした観点に立ち、中田准教授らは低コストで行うことができる、次の四つの戦略で構成するプログラムを開発した。〔1〕個人向け戦略。講義、印刷物、身体活動に関する目標設定、電子メールやリポートなどによる労働者へのフィードバック〔2〕社会文化的な環境戦略。団体戦で歩数競争などのチーム構築、社内ニュース発信などの雰囲気づくり〔3〕物理的な環境戦略。身体活動を促すポスターを社内に貼る〔4〕組織的な戦略。役員による推奨(社内ニュースでの社長コメントなど)。
ある企業でこのプログラムを使い、オフィスワーカー76人に8週間実践してもらった。その結果、勤務日の歩行などは1日当たり平均10分長くなった。歩数も平均1172歩増え、統計学的に明らかな効果が認められた。中田准教授は「プログラムが有効かを確かめるため、今後、厳密な比較試験で検証したい」としている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2023/05/30 05:00)
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