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「やる気が出ない」「いらいらする」「物忘れが多い」「ぐっすり眠れない」といった症状をよく耳にする。このような不調が続くなら、「脳疲労」が起きているのかもしれない。
脳疲労は、脳が疲れ正常に機能しなくなった状態を指す。脳疲労に心身両面からアプローチする、エミーナジョイクリニック銀座(東京都中央区)の伊東エミナ院長に話を聞いた。
脳疲労の原因
◇背骨のゆがみも原因に
原因は、「過度の精神的ストレス、睡眠の質の低下、食物アレルギー、栄養素の不足、腸内環境の乱れ、重金属などの有害物質の蓄積、脳の外傷、遺伝子異常など、さまざまな原因が考えられます。背骨のゆがみ、スマートフォンやパソコンの使い過ぎなどが関わっている場合もあります。原因が複数重なっていることも少なくありません」。
これらの原因があると、「自律神経バランスや脳内ホルモンバランスの乱れ、細胞にダメージを与える活性酸素や炎症物質の増加など、体の中で多様な変化が生じます」。そうした体内の異常を介して、個々の脳細胞の代謝や機能が損なわれ、さらに脳細胞同士の連携システムにも支障が出て、脳疲労という状態になるという。
◇認知症リスクの可能性も
脳疲労やそれによる症状を解消するにはどうすればよいか。
「対症療法を行っても、中止すればまた症状が表れます。原因は人によって異なります。それぞれの原因を突き止め、根本的な対策、治療が必要になります。原因を突き止める際には、心身両面からの丁寧な問診や幅広い検査を行うことが重要です」
脳疲労による症状は、生活や仕事、学業にも影響を及ぼし、さらに悪化させることもある。認知症のリスクになる可能性も否定できないという。
身近な予防策として、例えばスマートフォンの使い過ぎは、首の骨への負担などで脳疲労のリスクを高めるので、極力使用を減らしたい。「朝食を抜くなど、食事をおろそかにすると低血糖気味になり、脳疲労を起こしやすくなります。また頑張り過ぎないことも大切です」と伊東院長はアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2023/09/22 05:00)
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