治療・予防 2024/11/21 05:00
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従来の紙巻きたばこに比べて臭いや煙が少ないといった理由で、新型たばこを吸う人が増えている。だが大阪国際がんセンターがん対策センター(大阪市)疫学統計部部長補佐の田淵貴大医師は「新型たばこが有害物質を発生させることは明らかです。安易に手を出さないで」と警鐘を鳴らす。
危険性が指摘される新型たばこ
◇受動喫煙の影響も
新型たばこには、主にたばこの葉を使う加熱式たばこと、使わない電子たばこの2種類がある。国内ではニコチンを含む電子たばこの製造販売には医薬品と同様の認可が必要なため、ニコチンが含まれるのは原則として加熱式たばこのみ。ニコチン(加熱式たばこ)や味付けした液体(電子たばこ)などを含んだ霧状の微粒子「エアロゾル」を発生させて吸引する仕組みだ。
日本では加熱式たばこの販売が2014年に開始された。禁煙できずに、紙巻きたばこと加熱式たばこを併用する人が多い一方、電子たばこはあまり普及していないという。
田淵医師らが行ったインターネット調査で加熱式たばこの使用率は15年から20年の5年間で0.3%から10.9%に増加したことが分かった。
また、19年国民健康・栄養調査で、喫煙者の加熱式たばこ使用率は20%を超えた。20~30代では男性が約40%、女性が約50%だった。
新型たばこの有害性については、「販売開始からの期間が短く、長期使用による健康への影響を実証するためには今後の研究、調査を待つ必要がありますが、ニトロソアミン、ホルムアルデヒドなどの発がん性物質が含まれており、健康への悪影響は明らかにあると考えられます」。
20~69歳の約10%がほとんど毎日加熱式たばこによる受動喫煙の害にさらされていることも分かっている。
◇禁煙には「逆効果」
喫煙者の多くが禁煙の足掛かりとして新型たばこを利用しているが、「紙巻きたばこに比べてニコチンが少ない加熱式たばこは、紙巻きたばこより使用頻度が高くなることが報告されています。加熱式たばこを吸っているとニコチン依存で禁煙しにくくなり、紙巻きたばこを再開しやすくなる可能性があります。また、親が新型たばこを使用していると、子どもも吸いたくなるという懸念もあります」。
20年から加熱式たばこ使用者の禁煙治療が保険適用になった。田淵医師は「禁煙した人はほとんどが自力で成功しています。禁煙外来に行くことをお勧めしますが、自力でも何度でも禁煙にチャレンジしてほしいと思います。たばこに手を出さないスキルを身に付けることも大切です」と話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2023/08/26 05:00)
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~血液がんのホジキンリンパ腫(国立がん研究センター中央病院 伊豆津宏二科長)~