治療・予防 2024/04/26 05:00
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~小児期に多い回避・制限性食物摂取症(国際医療福祉大学成田病院 中里道子教授)~
原因は不明だが非常に強い疲労感が長期間続く「慢性疲労症候群」。大人の病気と思い込みやすいが、子どもにも同様の症状が見られることがある。日本医科大学付属病院(東京都文京区)小児科の伊藤保彦主任教授に話を聞いた。
▽日常生活にも支障
強い疲労感を訴える子どもの中には何らかの免疫異常が見つかるケースもあるという。伊藤主任教授は「体質的に免疫に異常が出やすい子どもが感染症やストレス、痛みといった強い刺激をきっかけに、疲労を感じるようになるのではないか」と推測する。
▽周囲の理解が不可欠
小児慢性疲労症候群と診断する基準としては、3カ月以上続く強い疲労感や微熱、リンパ節の腫れ、睡眠障害、筋肉痛、関節痛、集中力の低下などがある。ただし、その多くは客観的に判断するのが難しいため、医師によって診断が異なるのが実情のようだ。
伊藤主任教授は「病気の定義が曖昧なあまり、拡大解釈すれば不登校の子どものほとんどが慢性疲労症候群ということになりかねません。心の問題から疲労感を訴えるケースもよくあります。わたしの場合は免疫異常や微熱、リンパ節の腫れなど、目に見える症状がある場合に限り慢性疲労症候群と診断しています」と話す。
免疫に異常がある場合は定期的に診察、治療を受ける必要がある。そうでない場合も、専門家によるカウンセリングなど適切なケアが必要だ。
慢性疲労症候群の子どもは、一見すると元気そうでも疲れやすく、疲れがたまると日常生活を送ることすら困難になる。伊藤主任教授は「体育の授業ですごく速く走っていたのに、翌日になると疲れて学校に行けなくなるということがあり、サボっていると誤解されやすい」と指摘。保護者は本人とよく話し合って体の状態を把握した上で、周囲にも病気について正しく伝え、理解を促していくことが大切だ。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2018/10/02 10:00)
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