『メガネのフクダ』創業100周年、これまで支えてくださったお客様に眼鏡と補聴器で感謝を示し、未来を担う子供たちの視力支援にも取り組む
株式会社メガネのフクダ
経営の悪化や従業員の高齢化に伴い廃業を検討も、これまで支えてくださったお客様や地域の子供の為、元GU旗艦店長が事業承継へ「認知症予防の補聴器」や「子どもの視力低下」で社会貢献します。
長男・福田吉孝(左)と代表取締役・福田吉美(右)
◆概要◆
◯眼鏡業界の技術者育成制度の構築に尽力(※1)してきた1924(大正13)年創業の眼鏡・補聴器販売店運営「株式会社メガネのフクダ」(代表取締役・福田吉美、大阪府岸和田市)(※2)が9月、創業100周年を迎えました。
◯「町の眼鏡屋」の休廃業が右肩上がりとされる中、節目に合わせて廃業も検討しましたが、代表の長男がジーユー渋谷店・店長などを経て家業に戻り、広報担当に着任。
◯今後も顧客へのサービス向上に努めるとともに、「100周年記念企画」を機に認知症予防の一つとされる補聴器や、子どもの視力低下問題への対応などを強化し、持続可能な店舗経営に挑みます。
◆今後の展開◆ 社会的課題への対応を事業の軸とし、社会貢献と企業経営を両立させます
既存顧客(※3)への対応を大切にしつつ、創業100周年を記念した企画を展開。自社の販路開拓・ファンづくりと、社会的課題への対応の両立を目指します。
・治療用子ども眼鏡への対応を強化します。
〈事例〉10月10日の「目の愛護デー」に合わせ、近隣の認定こども園で弱視や眼鏡に関する啓蒙活動を行います。
・認知症対策として補聴器が重視されていることを訴求します。
〈事例〉本年1月に認知症基本法が施行されたことを踏まえ、11月11日の「介護の日」にちなんだ補聴器の体験会を同10日、市内の老人ホームで開きます。
■会社沿革【1924年9月】福田正男が岸和田市五軒屋町に眼鏡専門店「正和堂」(現在の本店)を開業。
・妻・満佐子が「福田正和堂眼鏡店」と改称。
【1950年】養子の福田吉弘が「福田眼鏡店」と改名。
【1972年】「メガネのフクダ」と改名。
【1989年】株式会社メガネのフクダ設立。
【1997年】7店目に拡大。補聴器やコンタクトレンズの専門店も展開。
【2024年 現在】岸和田市内で2店舗を運営。
創業者の正男(左)と妻の満佐子、長女のタヅ子(右下)
■代表取締役・福田吉美について・近畿大学商経学部卒/米国カリフォルニア大学バークレー校留学エクステンションアドバンストコース修了/日本眼鏡技術専門学校卒
・国家検定資格「一級眼鏡作製技能士」/「眼鏡作製技能検定」検定員
・公益社団法人 日本眼鏡技術者協会 前副会長
・社団法人日本メガネ協会理事
・旧・学校法人日本眼鏡技術専門学校 元理事 元講師(2022年閉校)
代表取締役・福田吉美
【創業100周年についての思い】
・創業100周年は、実現しようとして、できるものではありません。
・お客さまが居られればこその100年で、全てのお客さまへの感謝がまず第一です。
・「侤(はたら)く(考えて働く)」ことを通してお返ししていきたいと考えています。
・この年になって思うのは「生きている」のではなく「生かされている」ということです。
・何かの役目があって、何かの必要性があって、何かがあるから「お前たちはまだ生きとれ」「100年続けろ」となったのだと感じています。
■広報担当・福田吉孝について・清風南海中学校・高校卒/神戸大学 農学部 応用動物学科卒
・リクルートを経て2012年にジーユー入社
・ジーユー本部にて在庫コントロール部に所属
・大阪で、店長としてイオンモール大日店やアリオ八尾店の立ち上げに尽力
・2018年に東京の旗艦店・渋谷店の店長としてオープンを迎える
→ジーユーでの経験は、現在も店内の展示などへ生かしています
・2023年11月に「メガネのフクダ」に入社
・広報、マーケティング、マーチャンダイジングを主に担当
広報担当 福田吉孝
【事業承継への思い】
2023年6月に祖母が他界しました。
18歳から一人暮らしをはじめ、顔を合わせる機会も年々減ってきましたが、祖母はいつも私のことを気にかけ、どんな時も優しくしてくれていました。
その祖母が他界した際に思い出したのは、90歳近くまでメガネのフクダ本店のカウンターに座って、お客さまと談笑している姿でした。
そんな大好きだった祖母の思い出がいっぱいのメガネのフクダを失くしたくないという想いが強くなりました。
祖母の体調不良に合わせて地元に帰ってくることが増え、店にも顔を出す機会が増えました。
どのお客様もメガネや補聴器の購入や調整が終わった後、笑顔で店を後にされる姿を見て、メガネのフクダがなくなったら、このお客様たちはどうなってしまうのだろうか。
100年もの間、支えてくださったお客様をこちらの都合で「メガネ難民」「補聴器難民」にしてしまって良いのだろうか。そのように考えるようになりました。
私が生まれる前から支えてくださっているお客さまをはじめ、今まで働いてくださっていた従業員の方に、いつまでも自慢できるお店であり続けることで御恩を返したい。そういったことを誰よりも本気で取り組むことが出来るのは自分しかいない、継がなかった事で後悔はしたくないと考え、メガネのフクダを継ぐことを決心しました。
お客様への恩返しと、これからを担う子供たちの為に出来る事
これまで支えてくださったお客様がいつまでも健康で豊かな暮らしを送れるよう努めるとともに、次世代を担うお子様の健康を支える活動にも力を入れております。これらの取り組みを事業の軸として進めています。
◆お客様の健康寿命を支えるため、補聴器の普及に尽力しています
補聴器の調整をする様子
【補聴器について】・高齢化が進む日本において補聴器の普及は重要と考えています。創業100周年の企画では、11月11日の介護の日にちなみ、前日の10日(日)、補聴器の説明体験会をメーカーと共に老人ホームで実施予定。補聴器をつけてバイオリンの音を聴くなどしてもらいます。他にも、高齢者が集まりやすい施設(スポーツ施設など)でのチラシ配布といった啓蒙活動をすでに展開しています。
・当社の補聴器の年間販売実績は、新規顧客が前年同期比で3倍程度伸びており、今後も補聴器の需要はまだまだ伸びると考えています。
・2023年1月、認知症の人が安心して暮らせるための国や自治体の取り組みを定めた「認知症基本法」が施行されました。
・認知症予防の一つとして重視されているのが難聴への対策です。国際的な認知症専門家でつくる「ランセット委員会」による2024年の調査結果では、認知症に関連する14のリスク要因を改善すると、約45%の発症の遅延・減少の可能性があると指摘。このうち最も大きい割合だった要因が難聴とLDLコレステロール値でそれぞれ7%でした。
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(24)01296-0/abstract
(参考)https://dementia-platform.jp/ja/article/1497/
・聞こえづらさが認知機能の低下につながる可能性があり、補聴器の使用が推奨されています。しかし、一般社団法人日本補聴器工業会の大規模調査「JapanTrak (ジャパントラック)2022」によると、日本は欧米主要国に比べ、「難聴者の補聴器所有率」が低いと指摘されています。
・日本は難聴率(難聴またはおそらく難聴だと思う人)が10%。他国と大きな差はありませんでしたが、難聴者が補聴器を所有している割合は過去の調査時より伸びているものの15%。デンマークの55%が最多で、比較可能な16カ国のうち13カ国は3割を超えています。
https://hochouki.com/files/2023_JAPAN_Trak_2022_report.pdf
◆これからの未来を担う子供たちの眼を守りたい
治療用メガネを装用する相庭さん(スタッフ)の娘さん
【治療用子ども眼鏡について】・弊社では、子どもの弱視についての啓蒙活動を重視しており、創業100周年の企画では10月10日の「目の愛護デー」に合わせ、近隣の認定こども園で、弱視や眼鏡に関するチラシの配布や簡易な視力測定を実施予定です。その後も交流サイト(SNS)などを活用して、子どものいる世帯への発信を強化するほか、医療機関との連携も強化する考えです。
・処方箋を伴う治療用子ども眼鏡の当社の販売実績は、眼鏡の全販売数に占める割合が年々高まっており、こちらも需要が高まっています。
・子どもの視力を巡っては、文部科学省が発表した学校保健統計調査(2022年度分)によると、裸眼視力が1.0未満の割合は小学校37・88%、中学校61・23%、高校71・56%で、いずれの段階でも過去最多と発表されました。
https://www.mext.go.jp/content/20231115-mxt_chousa01-000031879_1a.pdf
・治療用子ども眼鏡は、度数の調整はもちろん、フィッティング(眼鏡着用時の位置やかけ心地)について大人以上に注意する必要があります。大人に比べ、適正に着用しない可能性や、破損の機会が見込まれるためです。適正に着用していない場合、視力が悪化する恐れがあります。
【SNSを通じて自社の取り組みを発信】
・創業100周年を記念し、10月15日、ホームページをリニューアルする予定です。
・100年の歩みについて説明するページを設けるほか、国連の持続可能な開発目標(SDGs)への対応を掲げ、自社の社会的責任を明確化します。
・交流サイト(SNS)への対策として、昨年から「インスタグラム」を展開していますが、創業100周年に合わせ、広報担当の福田吉孝として8月よりコンテンツ投稿サイト「note(ノート)」での投稿を始めました。
※1)眼鏡業界の技術者育成制度の構築に貢献・当社代表・福田吉美の父・吉弘(1926~2012年)は、戦後の混乱期の眼鏡業界の技術者育成制度の構築に尽力しました。
・1948年に関西大学法学部を卒業後、大阪府警を経てメガネのフクダに入社。
・戦後の混乱期に粗悪な品質の眼鏡が出回っていたことに心を痛め、吉弘の理念の一つ「我々の良心に恥じない商品と技術を提供するのが眼鏡技術者の使命」という基本的な考え方が形成されました。
・1955年に店主を継承すると、事業の発展だけでなく、技術者の育成や制度の構築に尽力。1968年に日本初の眼鏡技術者の育成機関「日本眼鏡技術学校(後の日本眼鏡技術専門学校、2022年閉校)」ができた際には、講師に着任しました。
福田吉弘(藍綬褒章受章時)
・眼鏡関係機関の全国組織の役職を歴任。1986年には日本眼鏡技術者協会の会長に就任しました。
・会長時代に国内の認定技術者制度の一本化を実現。眼鏡技術者の地位向上と、消費者に対する責任の明確化に貢献しました。
・こうした実績を受け、1989年に藍綬褒章(中小企業振興)を受章しています。
・代表・吉美も志を継ぎ、眼鏡技術者の国家検定資格化に注力。2021年には技能検定職種の一つとして「眼鏡作製技能士」が厚生労働大臣から認可され、22年に第1回の試験が行われました。
・指定試験機関は日本眼鏡技術者協会で、前副会長の吉美は、制度の構築や運営に力を尽くしました。
※2)メガネのフクダについて■企業概要
社名:株式会社メガネのフクダ
代表者:代表取締役 福田 吉美
創業:1924年(大正13年)9月
設立(株式会社化):1989年(平成元年)11月
事業内容:眼鏡関連小売業全般、補聴器関連小売業全般、光学品小売業全般、
本社所在地:大阪府岸和田市五軒屋町4番4号
店舗:本店・岸和田市五軒屋町4-4、
トークタウン店・岸和田市土生町2丁目32番5号 トークタウンB棟107
取り扱い点数:眼鏡は国産を中心に計約2千点
メガネのフクダ トークタウン店の店内とスタッフ写真
社是:侤(はたら)く (福田吉弘が制定)
機械のように体を動かして働くのではなく、考えて働く−これが侤く事です。
お客様に快適な視生活を提供して「満足」をいただき、適切なアドバイスや説明で「納得」していただく。
終生のコンサルタントとして「安心」を、完璧かつ正確な技術、作業により「信用」された上で、
メガネを通じて明るい社会づくりに「奉仕」する。
常にお客様のことをよく考えて働く、これが「メガネのフクダ」で侤くことなのです。
福田正和堂眼鏡店時代の本店(大阪府岸和田市五軒屋町)
※3)顧客について
・直近10年で眼鏡・約4千人、補聴器・約730人
(トークタウン店のみの算出、本店は紙媒体のため集計を保留中)
■本店顧客の岸本サヨ子さん(82)インタビュー
【身近な場所で親切に対応していただく喜び】・家から歩いて5分のところで、補聴器の調整を気兼ねなく頼めるのが何よりありがたいです。
・私の耳が聞こえにくくなったのは2008年で、2010年に初めて補聴器を使うようになりました。
・それでもテレビが早送りのように聞こえたりと、徐々に悪くなりました。当時通っていたお店は、補聴器をみてくださる方がいつもいるわけではなく、大阪市の方から来る時に合わせてみてもらう必要がありました。
本店顧客の岸本様
・こちら(メガネのフクダ)に通うようになったのは、岸和田駅の近くで骨董屋をしていた2014年に、店にやってきたタヅ子さんと出会ったのがきっかけです。ご縁を感じ、2016年に初めてこちらで購入しました。
・補聴器をみてもらうだけでなく、障害者手帳をもらう相談に行った方がいいと教えてもらったことにも感謝しています。今年7月ごろに聞いてすぐに行き、補聴器の購入について岸和田市から助成をいただくことができました。こうした気遣いをしてもらえるのが本当に嬉しいのです。
・店の前を通ると、倉田さん(本店スタッフ)は笑顔で手を振って挨拶してくださいます。こんなに親切にしてもらって、違う店に行くのは人間やないです。私の命ある以上はお世話になりたいと思っています。
取材のご検討を何卒よろしくお願い申し上げます。
◆問い合わせ先◆ 株式会社メガネのフクダ
担当:福田 吉孝
電話090-4498-0325/メール yoshitaka.fukuda@megafuku.co.jp
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経営の悪化や従業員の高齢化に伴い廃業を検討も、これまで支えてくださったお客様や地域の子供の為、元GU旗艦店長が事業承継へ「認知症予防の補聴器」や「子どもの視力低下」で社会貢献します。
長男・福田吉孝(左)と代表取締役・福田吉美(右)
◆概要◆
◯眼鏡業界の技術者育成制度の構築に尽力(※1)してきた1924(大正13)年創業の眼鏡・補聴器販売店運営「株式会社メガネのフクダ」(代表取締役・福田吉美、大阪府岸和田市)(※2)が9月、創業100周年を迎えました。
◯「町の眼鏡屋」の休廃業が右肩上がりとされる中、節目に合わせて廃業も検討しましたが、代表の長男がジーユー渋谷店・店長などを経て家業に戻り、広報担当に着任。
◯今後も顧客へのサービス向上に努めるとともに、「100周年記念企画」を機に認知症予防の一つとされる補聴器や、子どもの視力低下問題への対応などを強化し、持続可能な店舗経営に挑みます。
◆今後の展開◆ 社会的課題への対応を事業の軸とし、社会貢献と企業経営を両立させます
既存顧客(※3)への対応を大切にしつつ、創業100周年を記念した企画を展開。自社の販路開拓・ファンづくりと、社会的課題への対応の両立を目指します。
・治療用子ども眼鏡への対応を強化します。
〈事例〉10月10日の「目の愛護デー」に合わせ、近隣の認定こども園で弱視や眼鏡に関する啓蒙活動を行います。
・認知症対策として補聴器が重視されていることを訴求します。
〈事例〉本年1月に認知症基本法が施行されたことを踏まえ、11月11日の「介護の日」にちなんだ補聴器の体験会を同10日、市内の老人ホームで開きます。
■会社沿革【1924年9月】福田正男が岸和田市五軒屋町に眼鏡専門店「正和堂」(現在の本店)を開業。
・妻・満佐子が「福田正和堂眼鏡店」と改称。
【1950年】養子の福田吉弘が「福田眼鏡店」と改名。
【1972年】「メガネのフクダ」と改名。
【1989年】株式会社メガネのフクダ設立。
【1997年】7店目に拡大。補聴器やコンタクトレンズの専門店も展開。
【2024年 現在】岸和田市内で2店舗を運営。
創業者の正男(左)と妻の満佐子、長女のタヅ子(右下)
■代表取締役・福田吉美について・近畿大学商経学部卒/米国カリフォルニア大学バークレー校留学エクステンションアドバンストコース修了/日本眼鏡技術専門学校卒
・国家検定資格「一級眼鏡作製技能士」/「眼鏡作製技能検定」検定員
・公益社団法人 日本眼鏡技術者協会 前副会長
・社団法人日本メガネ協会理事
・旧・学校法人日本眼鏡技術専門学校 元理事 元講師(2022年閉校)
代表取締役・福田吉美
【創業100周年についての思い】
・創業100周年は、実現しようとして、できるものではありません。
・お客さまが居られればこその100年で、全てのお客さまへの感謝がまず第一です。
・「侤(はたら)く(考えて働く)」ことを通してお返ししていきたいと考えています。
・この年になって思うのは「生きている」のではなく「生かされている」ということです。
・何かの役目があって、何かの必要性があって、何かがあるから「お前たちはまだ生きとれ」「100年続けろ」となったのだと感じています。
■広報担当・福田吉孝について・清風南海中学校・高校卒/神戸大学 農学部 応用動物学科卒
・リクルートを経て2012年にジーユー入社
・ジーユー本部にて在庫コントロール部に所属
・大阪で、店長としてイオンモール大日店やアリオ八尾店の立ち上げに尽力
・2018年に東京の旗艦店・渋谷店の店長としてオープンを迎える
→ジーユーでの経験は、現在も店内の展示などへ生かしています
・2023年11月に「メガネのフクダ」に入社
・広報、マーケティング、マーチャンダイジングを主に担当
広報担当 福田吉孝
【事業承継への思い】
2023年6月に祖母が他界しました。
18歳から一人暮らしをはじめ、顔を合わせる機会も年々減ってきましたが、祖母はいつも私のことを気にかけ、どんな時も優しくしてくれていました。
その祖母が他界した際に思い出したのは、90歳近くまでメガネのフクダ本店のカウンターに座って、お客さまと談笑している姿でした。
そんな大好きだった祖母の思い出がいっぱいのメガネのフクダを失くしたくないという想いが強くなりました。
祖母の体調不良に合わせて地元に帰ってくることが増え、店にも顔を出す機会が増えました。
どのお客様もメガネや補聴器の購入や調整が終わった後、笑顔で店を後にされる姿を見て、メガネのフクダがなくなったら、このお客様たちはどうなってしまうのだろうか。
100年もの間、支えてくださったお客様をこちらの都合で「メガネ難民」「補聴器難民」にしてしまって良いのだろうか。そのように考えるようになりました。
私が生まれる前から支えてくださっているお客さまをはじめ、今まで働いてくださっていた従業員の方に、いつまでも自慢できるお店であり続けることで御恩を返したい。そういったことを誰よりも本気で取り組むことが出来るのは自分しかいない、継がなかった事で後悔はしたくないと考え、メガネのフクダを継ぐことを決心しました。
お客様への恩返しと、これからを担う子供たちの為に出来る事
これまで支えてくださったお客様がいつまでも健康で豊かな暮らしを送れるよう努めるとともに、次世代を担うお子様の健康を支える活動にも力を入れております。これらの取り組みを事業の軸として進めています。
◆お客様の健康寿命を支えるため、補聴器の普及に尽力しています
補聴器の調整をする様子
【補聴器について】・高齢化が進む日本において補聴器の普及は重要と考えています。創業100周年の企画では、11月11日の介護の日にちなみ、前日の10日(日)、補聴器の説明体験会をメーカーと共に老人ホームで実施予定。補聴器をつけてバイオリンの音を聴くなどしてもらいます。他にも、高齢者が集まりやすい施設(スポーツ施設など)でのチラシ配布といった啓蒙活動をすでに展開しています。
・当社の補聴器の年間販売実績は、新規顧客が前年同期比で3倍程度伸びており、今後も補聴器の需要はまだまだ伸びると考えています。
・2023年1月、認知症の人が安心して暮らせるための国や自治体の取り組みを定めた「認知症基本法」が施行されました。
・認知症予防の一つとして重視されているのが難聴への対策です。国際的な認知症専門家でつくる「ランセット委員会」による2024年の調査結果では、認知症に関連する14のリスク要因を改善すると、約45%の発症の遅延・減少の可能性があると指摘。このうち最も大きい割合だった要因が難聴とLDLコレステロール値でそれぞれ7%でした。
https://www.thelancet.com/journals/lancet/article/PIIS0140-6736(24)01296-0/abstract
(参考)https://dementia-platform.jp/ja/article/1497/
・聞こえづらさが認知機能の低下につながる可能性があり、補聴器の使用が推奨されています。しかし、一般社団法人日本補聴器工業会の大規模調査「JapanTrak (ジャパントラック)2022」によると、日本は欧米主要国に比べ、「難聴者の補聴器所有率」が低いと指摘されています。
・日本は難聴率(難聴またはおそらく難聴だと思う人)が10%。他国と大きな差はありませんでしたが、難聴者が補聴器を所有している割合は過去の調査時より伸びているものの15%。デンマークの55%が最多で、比較可能な16カ国のうち13カ国は3割を超えています。
https://hochouki.com/files/2023_JAPAN_Trak_2022_report.pdf
◆これからの未来を担う子供たちの眼を守りたい
治療用メガネを装用する相庭さん(スタッフ)の娘さん
【治療用子ども眼鏡について】・弊社では、子どもの弱視についての啓蒙活動を重視しており、創業100周年の企画では10月10日の「目の愛護デー」に合わせ、近隣の認定こども園で、弱視や眼鏡に関するチラシの配布や簡易な視力測定を実施予定です。その後も交流サイト(SNS)などを活用して、子どものいる世帯への発信を強化するほか、医療機関との連携も強化する考えです。
・処方箋を伴う治療用子ども眼鏡の当社の販売実績は、眼鏡の全販売数に占める割合が年々高まっており、こちらも需要が高まっています。
・子どもの視力を巡っては、文部科学省が発表した学校保健統計調査(2022年度分)によると、裸眼視力が1.0未満の割合は小学校37・88%、中学校61・23%、高校71・56%で、いずれの段階でも過去最多と発表されました。
https://www.mext.go.jp/content/20231115-mxt_chousa01-000031879_1a.pdf
・治療用子ども眼鏡は、度数の調整はもちろん、フィッティング(眼鏡着用時の位置やかけ心地)について大人以上に注意する必要があります。大人に比べ、適正に着用しない可能性や、破損の機会が見込まれるためです。適正に着用していない場合、視力が悪化する恐れがあります。
【SNSを通じて自社の取り組みを発信】
・創業100周年を記念し、10月15日、ホームページをリニューアルする予定です。
・100年の歩みについて説明するページを設けるほか、国連の持続可能な開発目標(SDGs)への対応を掲げ、自社の社会的責任を明確化します。
・交流サイト(SNS)への対策として、昨年から「インスタグラム」を展開していますが、創業100周年に合わせ、広報担当の福田吉孝として8月よりコンテンツ投稿サイト「note(ノート)」での投稿を始めました。
※1)眼鏡業界の技術者育成制度の構築に貢献・当社代表・福田吉美の父・吉弘(1926~2012年)は、戦後の混乱期の眼鏡業界の技術者育成制度の構築に尽力しました。
・1948年に関西大学法学部を卒業後、大阪府警を経てメガネのフクダに入社。
・戦後の混乱期に粗悪な品質の眼鏡が出回っていたことに心を痛め、吉弘の理念の一つ「我々の良心に恥じない商品と技術を提供するのが眼鏡技術者の使命」という基本的な考え方が形成されました。
・1955年に店主を継承すると、事業の発展だけでなく、技術者の育成や制度の構築に尽力。1968年に日本初の眼鏡技術者の育成機関「日本眼鏡技術学校(後の日本眼鏡技術専門学校、2022年閉校)」ができた際には、講師に着任しました。
福田吉弘(藍綬褒章受章時)
・眼鏡関係機関の全国組織の役職を歴任。1986年には日本眼鏡技術者協会の会長に就任しました。
・会長時代に国内の認定技術者制度の一本化を実現。眼鏡技術者の地位向上と、消費者に対する責任の明確化に貢献しました。
・こうした実績を受け、1989年に藍綬褒章(中小企業振興)を受章しています。
・代表・吉美も志を継ぎ、眼鏡技術者の国家検定資格化に注力。2021年には技能検定職種の一つとして「眼鏡作製技能士」が厚生労働大臣から認可され、22年に第1回の試験が行われました。
・指定試験機関は日本眼鏡技術者協会で、前副会長の吉美は、制度の構築や運営に力を尽くしました。
※2)メガネのフクダについて■企業概要
社名:株式会社メガネのフクダ
代表者:代表取締役 福田 吉美
創業:1924年(大正13年)9月
設立(株式会社化):1989年(平成元年)11月
事業内容:眼鏡関連小売業全般、補聴器関連小売業全般、光学品小売業全般、
本社所在地:大阪府岸和田市五軒屋町4番4号
店舗:本店・岸和田市五軒屋町4-4、
トークタウン店・岸和田市土生町2丁目32番5号 トークタウンB棟107
取り扱い点数:眼鏡は国産を中心に計約2千点
メガネのフクダ トークタウン店の店内とスタッフ写真
社是:侤(はたら)く (福田吉弘が制定)
機械のように体を動かして働くのではなく、考えて働く−これが侤く事です。
お客様に快適な視生活を提供して「満足」をいただき、適切なアドバイスや説明で「納得」していただく。
終生のコンサルタントとして「安心」を、完璧かつ正確な技術、作業により「信用」された上で、
メガネを通じて明るい社会づくりに「奉仕」する。
常にお客様のことをよく考えて働く、これが「メガネのフクダ」で侤くことなのです。
福田正和堂眼鏡店時代の本店(大阪府岸和田市五軒屋町)
※3)顧客について
・直近10年で眼鏡・約4千人、補聴器・約730人
(トークタウン店のみの算出、本店は紙媒体のため集計を保留中)
■本店顧客の岸本サヨ子さん(82)インタビュー
【身近な場所で親切に対応していただく喜び】・家から歩いて5分のところで、補聴器の調整を気兼ねなく頼めるのが何よりありがたいです。
・私の耳が聞こえにくくなったのは2008年で、2010年に初めて補聴器を使うようになりました。
・それでもテレビが早送りのように聞こえたりと、徐々に悪くなりました。当時通っていたお店は、補聴器をみてくださる方がいつもいるわけではなく、大阪市の方から来る時に合わせてみてもらう必要がありました。
本店顧客の岸本様
・こちら(メガネのフクダ)に通うようになったのは、岸和田駅の近くで骨董屋をしていた2014年に、店にやってきたタヅ子さんと出会ったのがきっかけです。ご縁を感じ、2016年に初めてこちらで購入しました。
・補聴器をみてもらうだけでなく、障害者手帳をもらう相談に行った方がいいと教えてもらったことにも感謝しています。今年7月ごろに聞いてすぐに行き、補聴器の購入について岸和田市から助成をいただくことができました。こうした気遣いをしてもらえるのが本当に嬉しいのです。
・店の前を通ると、倉田さん(本店スタッフ)は笑顔で手を振って挨拶してくださいます。こんなに親切にしてもらって、違う店に行くのは人間やないです。私の命ある以上はお世話になりたいと思っています。
取材のご検討を何卒よろしくお願い申し上げます。
◆問い合わせ先◆ 株式会社メガネのフクダ
担当:福田 吉孝
電話090-4498-0325/メール yoshitaka.fukuda@megafuku.co.jp
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