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手首に激痛が走り、動かすのもつらくなる「ドケルバン病」。元AKB48の川崎希さんが出産後に手の激痛を訴え、この病気と診断された。近年、スマートフォンやパソコンの使い過ぎなどにより発症し、痛みに悩む人が少なくない。JR東京総合病院(東京都渋谷区)整形外科の三浦俊樹部長に、発症原因や治療法などを聞いた。
ドケルバン病の自己診断法
▽指を酷使して発症
指先から手首にかけて、指を曲げたり伸ばしたりする筋肉につながっている「腱(けん)」と、腱を鞘(さや)のように覆っている「腱鞘(けんしょう)」という組織がある。
手指を曲げ伸ばしするときは、トンネル状の腱鞘の中を腱が行ったり来たりする。このとき摩擦が生じるが、手を使い過ぎると摩擦の回数が増え、その結果、腱鞘が炎症を起こす。
これが腱鞘炎で、指の付け根などが痛む「ばね指」と、手首の親指側が痛む「ドケルバン病」がある。
ドケルバン病では、親指の第2関節を伸ばす短母指伸筋腱と親指を広げる長母指外転筋腱が、通過する腱鞘の炎症によって、親指を広げたり、動かしたりすると強い痛みが生じる。手首の親指側が腫れることも珍しくない。
▽スマホの使い過ぎが影響
原因としては、仕事やスポーツなどによる手や指の使い過ぎや、腱鞘の構造上の問題などがあり、さまざまな要因が複合していることも多い。
三浦部長は「出産後や更年期の女性に比較的よく見られる病気です。ホルモンバランスの変化により、腱鞘がむくみ、厚さが増すことが一因となるためです。そのほか、パソコンやスマートフォンの多用で、誰でも発症する可能性があります」と説明する。
治療法としては、まず保存療法(安静)が第一。消炎鎮痛薬の内服、貼り薬、塗り薬で痛みや炎症を和らげるが、症状が強い場合は腱鞘の内部にステロイド薬を注射する。長期にわたり強い痛みが継続する場合は手術の対象になるが、ほとんどが保存治療で治まっていくという。
簡単にできる自己診断法がある。三浦部長は「親指を中に入れて握り拳を作り、小指側に曲げたときに、手首に激痛が走るようであればドケルバン病が疑われます。この病気と診断されたら、整形外科や手外科などを受診してください」と話す。
また、「親指を使い過ぎないこと、パソコンのキーボードと手首の高さが同じになるよう手の下にクッションを置くなどの工夫をすることで予防できます」とアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2019/04/07 17:00)
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