治療・予防 2024/11/21 05:00
抗生物質が根本治療薬に
筋強直性ジストロフィー
筋肉に問題はないのに、手指などが思うように動かせなくなる「ジストニア」。その多くは「局所性ジストニア」で、音楽家やスポーツ選手などに多く発症する。日常生活に支障が出るのはもちろん、演奏や競技など仕事が続けられなくなる人も多い。症状が改善しない場合は、早めに専門医の診察を受けてほしい。
ジストニアの発症例
▽筋肉がこわばる病気
ジストニアは、特定の行為や動作を頻繁に繰り返す職業の人で発症しやすい。国内の推定患者数は約2万人。大半が局所性ジストニアと呼ばれるタイプで、ピアニスト、バイオリニスト、歌手、漫画家、スポーツ選手、理髪師などに多い。人気デュオ「コブクロ」の小渕健太郎さんが、この病気を患い、高音の曲が歌えなくなり、一時音楽活動の休止に追い込まれた。
数少ないジストニアの専門医の一人である国立精神・神経医療研究センター病院(東京都小平市)脳神経内科の坂本崇医長は「ジストニアは筋肉そのものに問題はないが、脳の異常により筋肉が緊張し過ぎて起こる異常な姿勢や運動のことです」と説明する。
この病気になると筋肉がこわばって、しゃべりにくくなる、指が動かなくなる、目を開けていられない、首が曲がるなどの症状が出る。そのため、話す、歌う、字を書くといった特定の行為や動作がうまく行えなくなる。発症のメカニズムははっきりとは解明されていない。
▽ボツリヌス治療が有効
この病気について一般にはあまり知られておらず、医師の間でも認知度は低い。脳の画像検査を行っても異常のないことがほとんどであり、脳神経内科医などの専門医でないと診断が難しいとされる。
坂本医長によると、治療は内服薬、緊張を和らげて異常な運動・姿勢を改善させるボツリヌス神経毒素製剤の局所注射、脳の外科手術が柱になる。内服薬は、眠気などの副作用が問題になるため第一選択にはなりづらい。ボツリヌス毒素製剤による治療は、まぶた、首などの局所性ジストニアに有効で、発症後早期に行うとより効果が高い。また、脳外科的な治療は、異常を起こしている脳の一部を電気で焼き固めて、異常な指令が届かないようにしたり、電気で刺激したりする。
坂本医長は「早めに適切な診断、治療を行えば良くなることも多い。治療によって症状をコントロールできるので、仕事を続けながら治療していくことが大切です」とアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
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~血液がんのホジキンリンパ腫(国立がん研究センター中央病院 伊豆津宏二科長)~