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顔の片側が徐々にへこんでいく進行性顔面半側萎縮症(ロンバーグ病)という病気がある。痛みはないが、顔つきが大きく変わってしまう。どのような病気か、兵庫県立加古川医療センター(兵庫県加古川市)皮膚科の足立厚子部長に聞いた。
顔の片側に気になる症状が表れたら、皮膚科受診を
▽元に戻らないくぼみ
ロンバーグ病は、皮膚や皮下組織の萎縮により、頬を中心にして顔の片側全体がへこんでいく病気だ。皮膚が硬くなる強皮症や、皮膚の色素が白く抜ける白斑を伴う例もある。萎縮は筋肉、骨に及ぶことがあり、それにより口腔(こうくう)内の上壁や舌にもへこみが生じ得る。
「10代での発症が多く見られます。萎縮が強いケースでは骨の成長が妨げられ、目が落ちくぼんだり、鼻や口の形がゆがんだり、歯肉がへこむため、歯が欠損したり、かみ合わせがずれたりする場合があります」と足立部長は説明する。
萎縮による痛みはないが、顔面のひきつれを自覚することがある。また、髪や眉の脱毛、てんかん発作、三叉(さんさ)神経痛のほか、時に顔面の知覚異常を伴うこともある。萎縮は発症後3~10年で徐々に治まるが、くぼんだ部分は元に戻らない。
ロンバーグ病の原因ははっきりと分かっていない。しかし、自律神経の一つである交感神経の異常や、本来は自衛に働く自己免疫の異常、マダニが持つ細菌の感染などが関係すると考えられている。
▽まずは皮膚科へ
ロンバーグ病の診断では主に、自己免疫の働きを調べる血液検査や磁気共鳴画像装置(MRI)検査を行うほか、神経や目の合併症の有無も調べる。
治療は、見た目を改善する修復が中心になる。しかし、萎縮が進行中は治療が症状を悪化させることがあるので、萎縮が治まってから1~2年後に行われる。方法としては、太ももや腹部などの組織や皮下脂肪を、へこんでいる部分の皮下に注入して修復する。
萎縮の進行を止めるために、異常に緊張した交感神経を遮断し、収縮した顔面の血管を広げる神経ブロック療法のほか、自己免疫の働きを弱めるステロイド薬を服用する場合もある。
足立部長は「顔の片側だけに白斑や皮膚のひきつれ、へこみなどが表れたら、まずは皮膚科を受診してください」と勧めている。(メディカルトリビューン=時事)
(2019/12/10 07:00)
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