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高齢者が骨粗しょう症になって骨折を起こすと、再び骨折(二次骨折)するリスクが高くなる。二次骨折を未然に防ぐためには、骨粗しょう症の治療や運動、栄養管理など包括的な対策がより必要になる。近年、さまざまな職種の医療スタッフが連携して骨折予防策を講じる「骨粗しょう症リエゾンサービス」を導入する医療機関が増え、注目されている。
▽再発リスクは3倍に
骨折すると日常生活に支障を来し、高齢者では寝たきりや、寿命が短くなる危険性が高まる。骨折を繰り返し起こすと、運動機能に障害が表れるだけでなく、生存率にも大きく影響するため、「骨折連鎖」を断ち切る重要性が強調されている。
千葉県佐倉市の聖隷佐倉市民病院では、2014年12月から骨粗しょう症リエゾンサービスを立ち上げ、活動をスタートさせた。同院整形外科の岸田俊二部長は「骨折を一度起こした高齢者は、起こしていない高齢者に比べて再び骨折するリスクが3倍になると言われます。骨折経験者に対しては、効果的に予防策を講じる必要があるのです」と説明する。
▽再骨折率が改善傾向に
リエゾンとは「連絡役」などの意味を持つ。岸田部長によると、同院の骨粗しょう症リエゾンサービスを運営する委員会では、専門学会の認定する「骨粗しょう症マネジャー」の資格を持つ看護師、理学療法士、薬剤師、管理栄養士の計11人が活動している。さらに、整形外科医、放射線科医、地域連携室スタッフ、地域診療所の医師、保健師、市職員などが加わる。各メンバーが地域医療に携わるスタッフと連携しながら、骨折治療後の定期的な転倒リスクの評価や服薬指導、運動・食事指導などに力を入れているという。
背景には、骨折が治った後に骨粗しょう症の治療を自己判断でやめてしまう人が多く、二次骨折を招く大きな原因になっていることがある。そこで、地域の診療所と連携し、骨折経験のある患者が治療を継続できるよう働き掛けているのだ。
また、骨折から手術までの期間が長いと、運動機能が衰えて再び骨折しやすくなるため注意が必要だ。「手術はできる限り骨折当日か翌日に行うことを目指し、今は平均2.8日後となっています」と岸田部長。こうした取り組みにより、退院後の治療継続率や再骨折率の改善傾向が認められつつあるという。 (メディカルトリビューン=時事)
(2020/04/24 07:00)
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