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足の爪が濁る、厚くなり、ボロボロと欠ける―。そのような症状があれば爪の水虫である爪白癬(つめはくせん)の可能性が高い。高齢者に多いが、若年者もかかる。同居家族内で広がる場合も多い。順天堂大学医学部付属浦安病院(千葉県浦安市)皮膚科の木村有太子准教授に聞いた。
爪白癬
▽足水虫から感染
爪白癬は、カビ(真菌)の一種の白癬菌が爪の先や横から入り込んで起こる爪の感染症。ほとんどの場合、足の爪に起こる。足白癬と呼ばれる足の水虫も白癬菌が原因だが、この菌が爪に侵入して爪白癬を起こすパターンが最も多い。
感染すると「爪が白や黄色に濁り、範囲が広がっていきます。その後爪が厚くなり、変形して指を圧迫し、痛むこともあります。さらに進むと、爪がもろくなって欠けやすくなります」と木村准教授。
「50歳代以降で多くなりますが、若年者にも見られます。靴を履いている時間が長い人、同居家族内に足白癬、爪白癬を持った人がいる人、糖尿病、ステロイド薬服用中の人などはリスクが高いです」
▽市販薬では治らない
木村准教授は「早期ほど治りやすいので、できるだけ早く皮膚科医の診断、治療を受けてください」と呼び掛ける。診断は、似た症状の他の病気の可能性もあるので、見た目だけでなく、爪の一部を採取し顕微鏡で白癬菌を確認することが必要という。
「水虫の薬が作れたらノーベル賞もの」と言われた時代もあったが、今は優れた治療薬があり、きちんと治療すれば完治も期待できる。「市販薬では治りませんから、皮膚科医が処方する内服薬または外用薬(塗り薬)を用います。内服薬の方が効果はより高いですが、肝機能障害がある場合や既に飲んでいる薬と併用できない場合、妊娠している場合などは外用薬を選択します。数カ月~1年程度かかりますが、根気よく治療すればきれいな爪に治ることが多いです」
足白癬、爪白癬とも足を清潔にすることが大切だ。「帰宅したら足を洗いましょう。足拭きマットやスリッパ、爪切りなどは自分専用にします。剥がれた皮膚片や爪には菌がいることがあるので、床の掃除も小まめに行ってください」と木村准教授はアドバイスする。
(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2021/10/09 05:00)
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