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耳の入り口から鼓膜までの外耳道に炎症が起こる外耳炎(外耳道炎)。炎症による腫れや赤みに加え、かゆみや痛みを伴う病気だ。ひどくなると、難聴になるケースもある。
西馬込あくつ耳鼻咽喉科(東京都大田区)の阿久津征利院長は「外耳炎になりやすい人の特徴として、耳かきが好きで習慣化していることが多く見られます。耳かきは皮膚のバリアーが壊れやすくなるので注意が必要です」と語る。
外耳炎の主な原因と対策
◇イヤホンも原因に
耳の中には迷走神経という副交感神経があり、耳かきで刺激されると気持ちがリラックスするという。しかし、刺激を与えることで外耳道を傷つけ、細菌が入ってしまう場合がある。
また、耳かきや綿棒で触ると耳あかをどんどん奥に押し込んでしまう場合もあり、外耳道を傷つける原因になる。特に、毎日お風呂上がりに耳かきをする人は要注意だ。
さらに近年は、オンライン会議の普及に伴い、長時間イヤホンを装着して耳に刺激を与えることで外耳炎の症状が出るケースも少なくないという。
阿久津院長は「意識的に休憩を挟んだり、耳の穴全体を覆うような形状のカナル型ではなく、耳をふさがない開放型のイヤホン、ヘッドホンなどを選んだりすることで、外耳炎の予防が期待できます」と話す。
◇ストレス解消も予防に
リラックス効果を求めて耳かきをし過ぎてしまう人は、ストレスが背景になっていることもあるようだ。
「趣味に没頭したり運動を行ったりして日ごろからできるだけストレスをためない生活を心がけ、十分な睡眠を取ることも予防になります」
外耳道には自浄作用がある上、耳あかは外から入ってくるごみやほこりを吸収する作用がある。耳あかは耳の奥から外へ移動して剥がれ落ちる仕組みになっているため、耳かきをしなくても問題ないという。どうしても気になる場合は、耳鼻咽喉科で外耳道を傷つけないよう掃除をしてもらうこともできる。
「最も大切なことは耳の中を刺激し過ぎないということです。外耳炎は悪化すると、真菌が繁殖する病気(外耳道真菌症)や難聴になる恐れもあります。軽症であれば自然に治ることもありますが、症状が良くならない場合は早めに耳鼻咽喉科を受診することをお勧めします」と阿久津院長はアドバイスしている。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2023/04/29 05:00)
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