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犬や猫を飼っている高齢者は、飼っていない人に比べて介護保険サービスの利用費が約半額に抑えられる―。東京都健康長寿医療センター研究所(東京都板橋区)の研究で、このような結果が出た。研究チームを主導した谷口優協力研究員(国立環境研究所主任研究員)に話を聞いた。
ペット飼育の健康効果
◇運動習慣ある人でリスク低下
「高齢者と運動習慣の関係、社会とのつながりの維持を検討する中で、ペット飼育に着目しました」と谷口研究員。
研究チームは東京都大田区に住む65歳以上の約1万人を対象に、ペット飼育と健康状態に関して2016年から3年半、調査を行った。すると、要介護や死亡に至るリスクが、ペットの飼育経験がない人に比べ、以前飼ったことがある人で12%、現在飼っている人で29%低かった。とりわけ犬を現在飼っている人に限定すると、54%と顕著だった。
ただし、「犬を飼育している人の中でも、運動習慣がある人ほど介護や死亡のリスクが下がりました。犬を飼っていても運動をしない人のリスクは下がりませんでした」。
◇飼育する責任も
研究グループは17年の疫学調査に答えた埼玉県鳩山町の460人(平均年齢77.7歳)を対象に、ペット飼育と社会保障費の関係も調査した。直近1年半の月額医療費と月額介護保険サービスの利用費を飼育者と飼育していない人で比べると、介護費は非飼育者の月額1420円に対し、飼育者は676円と半額以下だった。一方、医療費に差はなかった。
「ペット飼育は、運動に伴う身体的効果に加え、心の安定や社会とのつながりを強化する効果が知られています。規則正しく張り合いのある生活が生まれ、介護サービスの利用頻度の低下や軽度のサービス利用に貢献することが考えられます」
一方、動物の飼育には労力や多額の金銭的負担、死ぬまで世話をする責任が伴う。「今後、ペット飼育のメリットとデメリットに関する研究とともに、飼いたい人が飼いやすい社会の環境整備も求められるでしょう」と谷口研究員は話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2023/09/07 05:00)
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