話題 2024/12/19 05:00
マウスピース矯正、ここに注意!
~トラブル増で専門家警鐘~
上下の歯をぎりぎりとこすり合わせたり、かみしめたりする歯ぎしり。睡眠中の歯ぎしりは子どもや若者に起こりやすく、睡眠障害の一種とされるが、原因は分かっていない。睡眠中の歯ぎしりの要因について、岡山大学学術研究院予防歯科学(岡山市)の外山直樹助教に話を聞いた。
歯ぎしりの有無で比較した食物繊維摂取量
◇放置すると歯に異常が
外山助教によると、睡眠中の歯ぎしりは、小学生で約20%、成人で約10%に見られ、高齢になるほど少なくなる。成長に伴ってなくなることも多いが、放置すると歯がすり減る、欠ける、詰め物が脱落する、または歯周病、顎(がく)関節症などの問題をもたらすという。
その要因はまだ十分解明されていないが、最近の研究で、脳の興奮によって起きるとの見方がある。「私たちの過去の研究でも、睡眠中に脳が興奮してしまう、睡眠の質が悪い人は良い人に比べ、歯ぎしりの頻度が明らかに高いとの結果が出ています」
◇食物繊維少ないほど歯ぎしり
睡眠の質は生活習慣の影響を受ける。食事の内容もその一つだ。そこで外山助教らは、睡眠中の歯ぎしりと栄養摂取量との関係を検討した。
大学生143人を睡眠中の歯ぎしりの有無で二つに分け、過去1カ月間における35種の栄養素の1日摂取量を比べた。その結果、野菜、果物、穀物、豆類などに多く含まれる食物繊維の摂取量は歯ぎしりのあるグループが、ないグループに比べて少ない傾向を示した。
さらに、143人を食物繊維の摂取量により四つに分け、最も多いグループと最も少ないグループの計74人について、歯ぎしりの有無で食物繊維の1日摂取量を比較した。すると、歯ぎしりのあるグループの摂取量は平均10.4グラム、ないグループは13.4グラムで、統計学的に明らかな差が見られた。食物繊維以外の栄養素で明確な差はなかった。
外山助教は「食物繊維の摂取が睡眠中の歯ぎしりに有効かは今後、詳しい研究で明らかにする必要があります。ただ、食物繊維には多くのメリットがあり、特に若い人は不足気味なので積極的に取ることをお勧めします」と話している。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2023/12/04 05:00)
【関連記事】話題 2024/12/19 05:00
マウスピース矯正、ここに注意!
~トラブル増で専門家警鐘~
治療・予防 2024/12/18 05:00
高齢者の慢性便秘症
~早期治療で介護負担も軽減(横浜市立大学付属病院 中島淳主任教授)~
治療・予防 2024/12/17 05:00
うつす可能性あれば対処を
~新型コロナ感染対策(グローバルヘルスケアクリニック 水野泰孝院長)~