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ゲームや動画が身近になった近年、子どもの運動不足や体力低下が懸念されている。幼児期からの運動習慣づくりや運動不足が子どもの発達、健康に及ぼす影響について、順天堂大学スポーツ健康科学部(千葉県印西市)の鈴木宏哉先任准教授に聞いた。
3歳児と5歳児の運動動作の評価得点の推移
◇内面の成長も
運動や体を動かす遊びは成長に欠かせない。幼児期の運動習慣が生涯の健康や幸福度にまで影響を及ぼす可能性がある。「仲間との運動や遊びを通じて相手の気持ちを理解し、自分の気持ちを伝えるコミュニケーション能力が育ちます。できなかったことができるようになる成功体験の積み重ねで、内面の成長も期待できます」
国が1964年から行っている体力・運動能力調査によると、6~19歳の子どもの体力は85年ごろをピークに、2000年ごろまで低下し続けた。その後改善傾向にあったが、コロナ禍以降、再び運動不足が心配されている。
鈴木先任准教授によると、6歳未満の幼児の運動能力も低下傾向にある。ある研究では、2007年の5歳児は1985年の3歳児と同じくらいの運動能力にとどまるという。幼児期に運動経験がほとんどない人は、成人後も運動に消極的な傾向がある。
◇「運動遊び」を楽しんで
子どもが楽しみながら運動習慣を身に付けるには、大人の「フィジカルリテラシー」が鍵となる。フィジカルリテラシーとは、運動に親しみ生涯にわたって続け、心身共に健康で幸福な生活を営むことができる習慣や能力のこと。スポーツ庁は2022年度から、大人の意識や行動を変えることを目的とした事業を始めた。
「運動能力の習得はもちろん、その効果や価値を大人が正しく理解し、子どもが運動に親しむ機会をつくってあげてください」
幼児期の運動は、楽しみながら体を動かせる「運動遊び」が適している。特に意識したいのは「バランスを取る」「体を移動させる」「物を操作する」の三つの動きだ。
この動きは『だるまさんが転んだ』、鬼ごっこ、ケンケンパ、縄跳びなどに含まれる。「強制するのではなく、日々の遊びに取り入れて体を動かす面白さを親子で経験することから始めてはどうでしょうか」と鈴木先任准教授はアドバイスする。(メディカルトリビューン=時事)(記事の内容、医師の所属、肩書などは取材当時のものです)
(2024/08/15 05:00)
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